鳥取県/小松 弘明
鳥取県内の畜産団体は19団体あるが、これらのうち6団体が、平成13年4月1日 に統合し、「鳥取県畜産推進機構」として発足することとなった。 鳥取県の畜産は、全国的傾向と同様に農家戸数は、昭和60年に7,132戸あった ものが、平成10年には1,736戸と大きく減少しており、粗生産額も昭和60年32.9 億円であったのが、21.3億円と大きく減少した。このように畜産を取りまく環境 が厳しくなる中、畜産団体も業務の効率化を迫られてきた。 鳥取県においては、平成10年度より検討を重ねた結果、鳥取県畜産会を中心に 鳥取県肉用子牛価格安定基金協会、鳥取県子豚価格安定基金、全国和牛登録協会 鳥取支部、鳥取県肉用牛協会、鳥取県養豚協会が、新しい組織を立ち上げること に合意し、13年1月18日に「合併協定書」が調印され、名称も一新することとな った。 鳥取県は、19年の第9回全国和牛能力共進会(全共)の開催が内定している。 この共進会を、農家の皆さんと協力しながら成功させることが最大の目標となっ ている。中でも全共に対する「鳥取県畜産推進機構」の果たす役割は大きく、 「第9回全国和牛能力共進会」の推進役としての機能も有している。一方、畜産 試験場も15年の完成を目指して整備が検討されており、今後、鳥取県の畜産を推 進する車の両輪として期待されている。 「鳥取県畜産推進機構」という仰々しい名称は、今回の畜産団体の合併がこれ で終わるのではなく、今後も引き続き団体の統合を推進するということと、これ から畜産業界を活性化するための再スタートという意味がある。 現在、BSE(牛海綿状脳症)や口蹄疫といった暗い話題が多い畜産業界である が、新しい組織の発足を1つの足がかりとして畜産業界の活性化を図っていきた い。 最後に、12年10月6日に発生した鳥取県西部地震の復興に向けて、全国の皆様 より物心両面でのご支援をいただきましたことをこの紙面をお借りして深く感謝 します。