愛媛県/中谷 哲哉
家畜排せつ物法の施行に伴い、愛媛県内においても法律に対応した施設整備や 家畜ふん尿たい肥の広域流通等の家畜排せつ物の利用の促進を図るための取り組 みが急務とされている。 このため愛媛県においては、これまでに法律の趣旨と家畜排せつ物法の利用の 促進を図るための県計画の周知徹底のための地域説明会を開催するとともに、こ の説明会を通じ地域あるいは集落単位での家畜排せつ物処理施設整備計画の策定 を指導し、施設整備を推進している。 畜産をめぐるこのような情勢の中で、平成12年11月28・29日の2日間、中国四 国農政局ならびに(財)畜産環境整備機構の主催による中国四国地域・畜産環境 保全シンポジウムが開催された。 今回のシンポジウムは、家畜排せつ物の処理方法等の一般的な課題から一歩前 進させ、たい肥の利用促進に焦点を絞ったもので、初日は、愛媛県農業試験場の 松本研究員による耕種部門におけるたい肥利用の実態と施用効果および九州農業 試験場の薬師堂総合研究第3チーム長による家畜排せつ物処理技術と利用の促進 等についての基調講演の後、広島、香川、愛媛の3県からの「土づくり」を中心 とした事例発表と薬師堂チーム長をコーディネーターとするパネルディスカッシ ョンが行われた。会場には県内外より予定を超える約180名の畜産関係者が参集 し終始熱心に聴講した。 2日目は、東予市の酪農家において、(株)ナカミチ技研のスクープ式発酵た い肥化処理施設についての現地研修を行い、前日に引き続き約70名が参加した。 今回のシンポジウムの開催は、家畜排せつ物法の施行に伴って誠に時宜を得た ものであり、主催の中国四国農政局ならびに(財)畜産環境整備機構に感謝する とともに、これを機に畜産環境保全が一層促進されることを期待するところであ る。
【初日のシンポジウム】 |
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【2 日目の現地研修】 |