★ 事業団から


−統計解説シリーズ− 初生牛の取引頭数と価格

食肉生産流通部 肉用子牛第三課




調査方法等

 事業団では、平成2年度から肉用子牛の主要な生産地域に所在する家畜市場を
対象に、乳用種(ホルスタイン種)の初生牛取引価格等の情報収集を行っている。
また、F1(交雑種・乳:乳用種を父または母とする交雑種)の初生牛については
4年度から調査を開始した。

 収集の対象としている初生牛は、日齢が100日未満および体重が100キログラム
未満としているが、通常取引されている初生牛は、生後1カ月以上2カ月未満、
体重が50キログラム前後のものが多い。

 収集しているデータは、家畜市場でのセリ取引における、

 @取引成立頭数
 A取引価格(消費税込)の2項目である。

 現在の取引価格等の情報は、乳用種は23カ所(北海道(6カ所)、岩手県(2
カ所)、山形、茨城、栃木、群馬、千葉、埼玉、静岡、岐阜、兵庫、岡山、広島、
徳島、福岡、熊本、宮崎県各1カ所)、F1(交雑種・乳)は21カ所(北海道(5
カ所)、岩手県(2カ所)、山形、茨城、栃木、群馬、千葉、埼玉、岐阜、兵庫、
岡山、広島、徳島、福岡、熊本、宮崎県各1カ所)の家畜市場からセリ取引終了
後直接または当該道府県の肉用子牛価格安定基金協会(指定協会)を経て、その
翌日までにファックスで事業団に報告される。

 これらの取引価格等のデータは、事業団で集計、整理し、「家畜市場における
肉用子牛価格の動向」(速報、毎旬で月3回発行)として国、県および生産者団
体等の関係団体へ業務参考資料として送付するとともに、「畜産の情報」(国内
編、資料編26ページ)に掲載している。


取引動向

乳用種初生牛

 12年1月から12月の全国取引頭数は、135千頭(前年同期116千頭)、平均取引
価格は42千円(前年同期20千円)。また、初生牛の取引頭数が全国の5割を超え
る北海道では、12年1月から12月の取引頭数は、72千頭(前年同期64千頭)、平
均取引価格は41千円(前年同期20千円)となっている。

 初生牛価格は子牛(肥育素牛)価格と密接に連動している。景気の低迷による
牛肉の低価格志向、食肉への原産国表示の義務化等の影響で下位等級の国産牛肉
に対する需要が高まり、乳用種の枝肉価格が高値で推移した。これに伴い子牛価
格が上昇(13年2月雄価格:前年比154%)し、これを受けて初生牛の平均取引
価格は前年比で163%と大幅に上昇した。

◇図:乳用種初生牛の取引動向◇


F1(交雑種・乳)初生牛

 12年1月から12月の取引頭数は151千頭(前年同期163千頭)、平均取引価格は
87千円(前年同期62千円)。

 乳用種への黒毛和種の交配率の低下による生産頭数の減少や消費者の牛肉の低
価格志向を反映して交雑種の需要が高まり、枝肉価格が上昇したことに伴い、平
均取引価格は前年比155%と大幅に上昇した。

◇図:交雑種・乳(F1)の取引動向◇

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