岐阜県/田中 純二
岐阜県は、去る平成13年11月6日、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に 関する法律(通称:JAS法)に基づく認定基準により、県内の地鶏肉認定の第1 号として「奥美濃古地鶏(おくみのこじどり)(肉用鶏)」(申請者:岐阜アグ リフーズ株式会社)を認定した。 この奥美濃古地鶏は、古代神話にも登場したといわれる天然記念物「岐阜地鶏」 (在来種)を素材とした岐阜地鶏改良種を雄系とし、雌系には、成長の速いホワ イトプリマスロック(肉用種)と多産で肉の美味しいロードアイランドレッド (卵肉兼用種、在来種)の交配種という「神代の味」の再現を目指した岐阜県産 の地鶏である。 JAS法に係る地鶏肉の認定については、「地鶏肉の日本農林規格」に定められ た規格に適合していることが条件となる。その条件とは 1)素びな条件・・・日本在来種由来の血液が50%以上のもの 2)飼育期間・・・ふ化日から80日以上飼育していること 3)飼育方法・・・28日齢以降平飼いで飼育していること 4)飼育密度・・・28日齢以降1平方メートル当たり10羽以下で飼育しているこ と が挙げられ、生産行程管理者(申請者)は、これらの条件を遵守しながら、地鶏 肉を生産・出荷することになる。 奥美濃古地鶏は、4年に既に岐阜県の畜産ブランドとして世に出ていたが、前 記の条件をクリアーするために、非常に小柄な岐阜地鶏の血液率を高めながら、 従来の体格を維持し、在来種血液率を従来の33.3%から54.1%まで向上した。 現在、全国には150程度の国産銘柄鶏が存在し、JAS法に適合した地鶏肉として は徳島県の地鶏肉「阿波尾鶏(あわおどり)」に続き、全国で2番目となる。 岐阜県では、このJAS認定を契機に消費者に信頼される「地鶏肉ブランド」 として「奥美濃古地鶏」をさらに推進していこうと考えている。