乳業部 乳製品課
当事業団は本編および「畜産物市況週報」において「品目別バター在庫量」を 掲載しているが、今回はこの品目別バター在庫量について解説する。
通常、バターと言えばスーパー等で販売されている200グラム程度の家庭で 使われているバターをイメージするが、バターの形態はその用途に応じさまざま な形態が存在している。その形態を大まかに区分すると、「業務用バター」と 「家庭用バター」に区分され、さらに「業務用バター」は「バラバター」、「プ リントバター」、「シートバター」等に区分される。 それぞれのバターについて説明すると、「バラバター」とは主に20〜25キログ ラムの無塩(食塩を加えていない)バターで、冷凍保存(−20℃以下)されるこ とから品質保持期限は比較的長く、飲料、製菓・製パン等の原料として使われて いる。「プリントバター」とは、主に450グラムの無塩バターで、冷蔵保存 (−10℃以下)されることから品質保持期限は比較的短く、製菓・製パン、調理 用に使われている。「シートバター」とは、薄くシート状に延ばした無塩バター で、冷凍保存され、主に製菓・製パン(パイ)用に使われている。「家庭用バタ ー」とは、主に200〜225グラムの有塩バターで、冷蔵保存され、一般家庭で使わ れている。
バターの在庫数量については、農林水産省牛乳乳製品課が推定期末在庫を公表 しているが、バターは、用途、品質保持期限等が一様でないので、全体の在庫量 だけでは需給を把握できない場合もある。このため、農畜産業振興事業団と社団 法人日本乳製品協会が、毎月国内主要乳業メーカー等14者から月末のバター在庫 量について、業務用(バラとその他)と家庭用に区分して報告を受け、取りまと め公表している。 当該データの農林水産省牛乳乳製品課が公表している推定期末在庫に対するカ バー率は約92%となっており、その大部分をカバーしている。 ◇図:品目別バター在庫量の推移◇
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