岡山県/片桐 紀生
岡山県にある財団法人中国四国酪農大学校では平成14年度の第38期生、2 8名(うち酪農後継者8名)の入学式を4月4日開催した。 今年の新入生28名の内訳は男子20名、女子8名。生家の家業は酪農家12 名(43%)、肉用牛農家1名、非農家15名(54%)。出身別には岡山県7名、他 の中国四国各県16名、中国四国以外の府県からは5名(18%)である。 式では新入生代表が元気に宣誓を行なうと、在校生が「酪農に興味があり、牛 が大好きな私たちに21世紀の酪農は任せたといわれるよう、共に学ぼう」と歓迎 挨拶をした。 古好校長は、「今日職種を問わず担い手、後継者不足の問題は職業の存続にお いて最大の課題である。全国各地に農系大学がある中で、卒業後に農業後継者と して就農する者は非常に少ないのが現状であるが、酪農大学校は昭和36年の創設 以来41年間に約1,000名の卒業生を送り出しており、53%が後継者となっている。 24%が酪農ヘルパー、削蹄師、人工授精師、農協職員、牧場勤務等の畜産関係の 職業に従事している。従って卒業生の77%が畜産関係者であり、地域の畜産指導 者として活躍している。また、岡山県で一昨年に開催された全日本ホルスタイン 共進会等では同校および卒業生関係者で34頭の優秀牛を出品した。1頭が最高位 の高円宮賜杯の第一号も獲得した。このような伝統ある酪農大学校で、学ぶ誇り と自信を持って勉強して頂きたい」と訓示を述べた。 入学式後、父兄にそれぞれ入学の契機や感想を聞いてみた。「長男は小さい時 から生き物が好きで、高校進学も自分で畜産科を選び、今回当酪農大学校を選ん だのも本人であり将来は削蹄師になりたい。しかも資格や免許も在学中に取得で き、経済的にも、大学に比べ安い。」とのことであった。また、高知県の父兄は 乳牛を100頭飼養する大型酪農家で、「私も本校の卒業生であり長男には小さい ときから、本校の素晴らしい経験や優秀な経営者である同窓生の話をしてきた。 そのこともあり、2代続けて本校にお世話になることになった。昔より施設等が 整備され驚いた。」とのことであった。また地元の父兄も当大学校の卒業生。乳 牛を80頭近くを飼養している。「息子は小さいときから酪農大学校にも遊びに来 ている。ここなら教職員にも知り合いが居るので安心して任せられる」と親子二 代の入学を喜んでいた。 同校の古好校長によると最近の入学した学生の傾向として、当初より、自らの 意思で進学したものが多く、親子、兄弟、姉妹が同窓というものが多くなったこ と、また反面非農家出身者や女性も増加しているという。
【新入生代表による挨拶】 |
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【これからの酪農を 担うであろう若者たち】 |