広島県/仙波 豊三
「広島牛」は、昭和60年に、それまで県内に4つあった和牛の育種圏を1つ に統合したことを契機に、全国に売りだすために、県内産和牛の銘柄を1つに して「広島牛」と命名したものである。しかし、ちょうど和牛の飼育頭数が右 下りになる時代に遭遇し、生産が伸び悩み、近年は県内の需要を賄うのみとな っている。 ところで、毎年開催される「フードフェスタひろしま」での広島牛焼肉コー ナーは名物の1つとして多くのファンを集めて来た。 この広島牛がこの度は、平成14年10月12〜13日に新たに始まった第1回生活 衛生フェアに登場した。「国産牛肉の消費回復に大感謝」ということで、焼肉 試食コーナーに多くの人を集め全国銘柄の松阪牛にも劣らないおいしさを認識 してもらった。 「生活衛生フェア」は、県内13の生活衛生同業組合が実行委員会を編成して 今回初めて開催したもので、広島県食肉事業協同組合連合会も財団法人日本食 肉消費総合センターの助成をうけてフェアに参加した。広島牛の焼肉コーナー は、BSE問題ではまだ完全回復とはいえない牛肉消費をよそに活気に満ちてい た。 また、同時に実施した、食肉常識クイズコーナーは、問題用紙が飛ぶように なくなり、家族連れが相談して回答を寄せる姿もほほ笑ましく、予定の正解者 数140人(2日で290人)がすぐに集まった。しかし、回答を見ると牛肉は「国 産と輸入のどちらが多いですか」に対し、「国産」と間違った回答が多いのに 驚き、現状を大声で説明することもしばしばであった。 第1回ということ、「生活衛生」という言葉のとっつきにくさ等で必ずしも 宣伝が行き届かない点もあったが、12日(土)、13日(日)の2日間で、延べ1 万500人の参加があった。主催者としては、初めてにもかかわらず良くここま で来場者があったと喜び、これも広島牛の焼肉のお陰であったともっぱらの評 価であった。
【青空のもと、広島牛の 焼肉試食コーナー】 |
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【食肉の勉強もクイズならOK】 |