大分県/池田 美智子
大分県佐伯市の池田美智子さん(27)は、この2カ年、豊後牛飼い塾第一期生(22名)の女性塾生(4名)の一人として、企業的肉用牛経営を目指す仲間とともに研さんを重ねてきた。 池田さんは、平成5年に高校卒業後、市内の会社で事務を5年ほど経験したのち寿退社し、両親の手助けができればと思い経営に参画、現在、家族で肉用牛78頭を飼養している。 平成11年には、家畜人工授精師の資格も取得し、今では池田さんが授精業務の主体となり、肉用牛の飼育を生涯の仕事として経営を支えている。 肉用牛経営は、昭和49年当時、それまで家畜商をしていた父が7頭から開始し、昭和52年に市街地にある現在地に移転後、手作り牛舎で徐々に増頭を進め、現在、地域では最大規模の繁殖経営となっている。 経営の特徴は、(1)借金をしない、(2)労力を惜しまない、(3)限られた施設を最大限に活用する−を経営方針にして、徹底したコスト低減を行っていることである。 この3つの経営方針を基本に、河川敷草など未利用資源活用による粗飼料自給率向上(自給率ほぼ100%)、子牛販売価格が常に市場平均以上になるよう購買者ニーズにあった優良系統牛への更新、発育の良い子牛出荷のための飼養技術の改善(早期離乳技術導入)、授精技術の向上による1年1産の達成に向け取り組んでいる。 将来は、勤めに出ているご主人も経営に参加することから、両親と4人で牛を飼い、良質たい肥を活用し、いろいろな旬の野菜を作って「道の駅」などに出荷し、消費者に安心を届けられる夢のある農業経営を実現してきたいと目を輝かせて語ってくれた。 さらに池田さんは、県が主催した「豊後牛飼い塾」のなかで県内外の講師・経営者の理念や先進技術にふれ、「今までの牛飼いの常識にとらわれないこと」、「ピンチはチャンスになる」などの教訓が得られたことから、今後は少しずつ経験を積み重ね、できることからチャレンジしていくことにより、着実に自分を磨いていきたいと意欲を燃やしている。
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