◎地域便り


長野県 ●特産品の食材として注目される「しなの鶏」

長野県/小林 健次


 消費者が求める「安全・安心でおいしい鶏肉」を作るため、長野県では「しなの鶏」の普及推進を行っている。

 この「しなの鶏」は長野県畜産試験場で推奨交配様式を確立した、軍鶏×ホワイトプリマスロックで、軍鶏の肉質の良さと歯ごたえ、ホワイトプリマスロックの成長の良さを兼ね備え、飼いやすく強健性に富んだ地鶏である。

 「しなの鶏」は県内各地で「遠山地どり」、「アルプスぢどり」、「アルプスしゃも」、「信濃地鶏」などの名称で飼育されている。飼養方法は、地域によっては、特産のお茶やハーブを給与しており、いずれも信州の大自然の中で、のびのびと健康的に育てられている。

 「しなの鶏」は各飼養地域のホテルやレストランでの提供、インターネットでの販売などが行われており、ジューシーでありながらしっかりした歯ごたえと、地鶏独特の味、そして、地域の特色を生かした料理によって好評を博している。

 最近では、長野市松代町で名称を「信州松代真田地鶏」として、青年会議所を主体とした「まつしろ遊食プロジェクト実行委員会」が中心となり、地元料理店と協力しながら「しなの鶏」を活用した特産品作りに取り組んでいる。手始めに、地元のお祭りで、10月中旬に開催される「真田祭り」において提供する地鶏弁当の開発を進めている。将来的には新たな松代の名物として、地元料理店で地鶏メニューを提供するとともに市内で一般消費者への販売も進めていく予定である。

 現在、畜産試験場では「しなの鶏」の肉質改善や羽色の統一などをさらに改善した「しなの鶏」の作出に向けた試験に取り組んでおり、新たな「しなの鶏」を活用した地域おこし、特産品づくりがさらに広がっていくことが期待される。

飼いやすく強健性にすぐれたしなの鶏(2羽とも雄)
真田まつりで提供した地鶏弁当

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