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ゆったりとした飼養密度で飼われるみやざき地頭鶏
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<みやざき地頭鶏※1とは>
宮崎県畜産試験場川南支場では、昭和60年前後の全国的な地鶏ブームを機に、県の特産鶏作りと高齢者の生きがい対策の一環として「みやざき地頭鶏」の開発・普及に取り組んできた。現在の「みやざき地頭鶏」は、雄系に地頭鶏♂×劣性白色ロック♀、雌系に九州ロード(熊本・大分・宮崎の3県合同で開発した地鶏作出のための雌系統)を用いた3元交雑種で、平成10年に交配様式が確立された。
雄系に用いられている地頭鶏は、宮崎県と鹿児島県の旧島津領地で古くから飼育されていた日本在来種で、肉が美味しく当時の領民が地頭職に献上していたことからこの名前がついたと言われており、天然記念物に指定されている見た目にも美しい鶏である。
<現在までの流れ>
「みやざき地頭鶏」素ビナの供給は毎年着実に伸び、平成14年度からはそれまで試験場で行っていたふ化業務を民間業者に委託し、平成15年度は24戸の生産農家に16万3千羽を供給した。(表1)
適度な歯ごたえとコクのある「みやざき地頭鶏」は販売店(県内26店舗、県外33店舗)・消費者にも大変好評で、県内外からの引き合いも多く生産農家共々うれしい悲鳴を上げている。
また、平成8年には生産者・関係機関をメンバーとして「みやざき地鶏普及促進協議会」を設立し、一丸となって普及促進活動に取り組むことが出来る体制が整えられた。
「みやざき地頭鶏」のセールスポイントは、その飼育方法とうま味成分を豊富に含んだ肉質である。
当試験場で作成した「みやざき地頭鶏」の飼育管理マニュアルは、地鶏肉の農林規格(特定JAS)における規格よりも条件を厳しく設定し、他県の地鶏との差別化を図っている。(表2)
さらに、生産農家に対し定期的な巡回指導を行い、マニュアルに即した飼育指導、衛生指導に努めている。
<これからの「みやざき地頭鶏」>
「食の安全・安心」が求められているなか、健康で美味しい「みやざき地頭鶏」を安定的に供給するために、協議会を中心として、生産段階においては農家への飼育管理のさらなる徹底を図る。また、販売段階においては信頼と情報のパイプ役となる販売指定店の確保に引き続き力を入れていきたいと考えている。
また、県内外へのPR活動も積極的に行い、「みやざき地頭鶏」のおいしさを全国の消費者に認知してもらい、新たな宮崎ブランドの1つとして確立できるよう努力していきたい。
最後に、本年8月に県内の生産農家が特定JAS「地鶏肉」の認証を受け、更なる流通拡大に取り組んでいる。
※1 平成15年度までは「みやざき地鶏」の名称で普及を行っていたが、全国的な認知度の向上、名称のインパクトなどを考慮して、平成16年9月に現在の「みやざき地頭鶏」に名称変更を行った。
みやざき地頭鶏の雄(手前右)、雌(手前左)
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