全国一の肉専用種の飼養頭数を誇る鹿児島県では、県、市町村、県経済連、(社)全国和牛登録協会県支部、農協・畜連など、県内の肉用牛に関係する機関・団体の緊密な連携・協調の下、肉用牛に関する基本方針などについて協議し、肉用牛の生産から流通・販売に至る諸課題の早期解決と統一された技術指導を行うことによる農家所得の向上を目的に、平成7年度より「鹿児島県肉用牛振興協会」を組織している。
協議会は、市町村や農協などの技術員を対象とした「若手技術員研修会」と「中堅技術員研修会」を毎年開催しており、今年度の「中堅技術員研修会」は、平成18年3月1日から2日にかけて鹿児島県中央家畜市場などで開催し、13名が受講した。
この研修は、より高度で専門的な知識および技術を習得し、地域におけるリーダー的指導者を育成するとともに、肉用牛農家に対する統一された技術指導を実践することにより、本県の肉用牛振興と肉用牛経営の安定・向上を目的としている。今回は、県、経済連、(社)全和本部および県支部の職員が講師となり、「肉用牛の現状と課題」「肉用牛の改良と審査員の役割」「審査に対する考え方や子牛登記・登録の留意点」「肉用牛関連対策」「肥育技術の飼養管理ポイント」「第9回全国和牛能力共進会へ向けた対策」など研修を実施した。
さらに、実技研修では、生後19〜21カ月齢の育成牛4頭を準備し、測尺などの基本的な技術のほか、栄養度判断など審査眼の統一に重点をおいた研修が行われ、受講者は、真剣なまなざしでこれまでの経験を生かしながらその技術を確認していた。
参加者全員によるディスカッションでは、後継者や新規就農者など担い手確保のための取り組みや、今年度中に策定予定の家畜改良増殖目標を達成するための種雄牛造成や農家に対する飼養管理の改善方法などについて講師にアドバイスを求めていた。
受講生は、これまでの経験と今回の研修を生かし、農家の所得向上を図るための適切な飼養管理技術や経営指導を実践し、目の前に迫った第9回全共で日本一の黒毛和種産地「鹿児島黒牛」の名声をさらに高めたいと決意していた。
室内研修
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実技研修
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