宮崎県/岩切 正芳
宮崎県畜産試験場川南支場では、昨年度から宮崎大学農学部と都城市の高城町観音池ポーク生産組合などと連携して、パンくず給与によるおいしい豚肉の生産の試験に取り組んでいる。昨年度の試験は、エコフィードの給与時期の違いによる肉質への影響の試験を行った。エコフィードについては、コンビニエンスストア系列の食品工場から排出されたパンの食品残さとおからの残さを6:4の割合で混合し、ビタミン・ミネラルを添加し、飼養標準に基づいて栄養調整したものを用いた。その結果、このエコフィードを体重約70キログラムからの肥育後期に給与することで、発育はやや劣るものの、低コストで高品質の豚肉を生産できることがわかった。今年度の試験は、パンくず主体のエコフィードと配合飼料の混合割合を変えた飼料を体重70キログラムから給与し、給与飼料の中にエコフィードがどのくらいあれば高品質の豚肉を生産することができるかという試験を行っているところである。
今後は、地元で産出する焼酎かすなどの新しい食品製造副産物の利用を含め、副産物に潤沢に含まれることが期待されるビタミン類についてその含量を把握し、既存のエコフィードの飼料価値および資源循環上の価値を向上する試験にも取り組む予定である。
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