栃木県/金田 学
一昨年に開催した「とちぎファームフェスタ」(第12回全日本ホルスタイン共進会)では、生乳生産量全国第2位である栃木県の酪農の姿を県内外に発信することができた。 しかしながら、昨年になって、こうした機運に水を差すような事態が起きた。牛乳消費量の減少に歯止めがかからないことによる「減産」である。特に生産者においては、ファームフェスタ開催をきっかけに、「よ〜し、これから!」と今後の経営発展に夢と希望を抱いた矢先であっただけに、泣く泣く牛を淘汰した生産者は少なくない。 一方、本県の牛乳の消費量は全国第22位であり、決して誇れるものではない。こうしたこともあって、少しでも県民に牛乳を飲んでもらおうと、生産者自らも県内各地で消費PRを行うようになった。 少子化や消費ニーズの多様化などが、牛乳消費量減少の原因として指摘されているが、牛乳に関して誤解が広がっていることも見逃せない。 そこで、牛乳の持つ機能や効果に関する正しい理解の促進を目的として、本年2月13日、県と県牛乳普及協会との共催による「『ミルクの国 とちぎ』の牛乳講演会」が開催され、20代から70代までの県民300名が会場に足を運んだ。 講演会では、まず、「牛乳悪者」説に対して積極的に反論を展開している北海道大学名誉教授の仁木良哉氏(本県足利市出身)が、「 牛乳 の真実〜牛乳の正当な評価〜」と題して基調講演を行った。仁木氏は、牛乳に含まれるカルシウムやたんぱく質などの特徴を示しながら、牛乳が優れた食品であることを紹介するとともに、牛乳に関する誤解の一つ一つについても、科学的なデータを示した上で反論した。 その後の「ミルク
鼎談 今後とも、いろいろな機会を設けて、牛乳の正しい理解の促進と県産牛乳の消費PRを図り、全国第2位の生乳生産量に見合った牛乳消費量を確保することで、県内酪農の振興につなげていきたい。
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