鶏卵卸売価格、品薄傾向から高値続く


◇絵でみる需給動向◇


 鶏卵の価格安定と畜産経営の安定を図るため、(1)卵価安定制度と(2)配合飼料価格安定制度に基づく価格差補てん事業が展開されているが、(1)については月ごとに標準取引価格と補てん単価が定められており、補てん単価算出基準は、基準価格から標準取引価格を減じた額に90%を乗じた額((基準価格−標準取引価格)×0.9:円未満の端数切捨て)としており、直近では平成20年1月にキログラム当たり32円の補てん金の交付実績があった。しかし、最近の鶏卵相場は品薄高傾向で、鶏卵の卸売価格(東京・M)は、3月はキログラム当たり195円(前年同月比6.6%高)、4月は同193円(同14.9%高)、5月は同195円(同16.1%高)と高値を維持している(図9)。

図9 鶏卵価格(卸売・小売)と採卵用めすひなえ付け羽数

 (2)については、配合飼料価格の高騰による補てん金の交付が相次いでいる。昨今の配合飼料などの生産資材高騰により、養鶏業をめぐる情勢は厳しくなっており、今後は生産抑制などによる供給量の減少が懸念される。

 ほかの食材が相次いで値上げをしている中、相対的に割安感のあった鶏卵においても、今後は高値傾向で推移すると思われる。


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