需給動向 海外

◆E U◆

2007/08年度の生乳生産量はわずかに増加


◇絵でみる需給動向◇


2007/08年度の生乳生産量は前年をわずかに上回る

 ドイツ市場価格センター(ZMP)によれば、EU25カ国の2007/08年度(4〜3月)の生乳生産量は前年度比0.5%増と、前年度をわずかに上回った。2007年4〜12月の生産量は前年同期比0.4%減と下回って推移したが、2008年1〜3月の生産量が前年同期比3.2%増と好調であったことから、年度合計ではわずかに前年度を上回った。

 2007/08年度はEU域内外で好調な牛乳・乳製品需要を背景に生産者乳価は大きく上昇し、EU25の平均価格は2008年1月に1リットル当たり38.97セント(64.7円:1セント=1.66円)を記録した。その後、下降しているものの、依然、2008年3月の生産者乳価は前年同月を30.8%も上回る水準となっており、このような生産者乳価の高水準での推移が、生産増加の大きな要因となったと考えられる。

 なお、2007/08年度の生乳クオータ超過に対する課徴金額については2008年秋に確定する予定であるが、欧州委員会の予測ではEU25カ国のうち8カ国で合計107万5千トン超過する一方、生産量がクオータを下回る17カ国の未使用クオータの合計は約308万トンと前年より拡大する見込みとなっている。

主要国における生乳生産量の動向

EU25カ国の生乳需給の推移


脱脂粉乳は生産量・輸出量ともに増加、バターは生産量増・輸出量減

 2007/08年度のEUの乳製品の生産量を見ると、チーズのわずかな増加に比べ、バターおよび脱脂粉乳の増加率が大きくなっている。特に、脱脂粉乳については、2007/08年度は国際価格の高騰による相対的なEU産の価格競争力の増加などにより輸出量が2005/06年度の水準まで回復し、その結果、生産量も前年度比6.9%増とかなりの程度増加した。

 一方、バターについては、2007年6月の輸出補助金の停止などの輸出環境悪化に伴う輸出量の減少が見られたが、好調な域内需要を背景に生産量が増加し、2007/08年度は前年度比3.8%増とやや増加した。

EU25カ国の乳製品生産量の動向

EU25カ国の乳製品輸出量の動向


元のページに戻る