需給動向 国内

◆豚 肉◆

国産志向を背景に、下級部位の卸売価格も高騰


◇絵でみる需給動向◇


 農林水産省の「食肉流通統計」によると、枝肉規格別卸売価格(省令価格:東京市場)は、10カ月連続で前年同月を上回るキログラム当たり550円(前年同月比14.8%高)となっており、特に平成20年2月以降は、規格「並」価格が平成19年の規格「上」価格と同程度の価格になった(図2)。

図2 枝肉規格別卸売価格(東京市場)

 一方、国産志向の高まりを背景に加工品の原料となるももやうでなどの下級部位の引き合いが強い状況が続いている(図3)。4月の卸売価格(仲間相場)を見ると、冷蔵のうでは9カ月連続で前年同月を上回る604円(同22.0%高)、冷蔵ももは10カ月連続で前年同月を上回る同637円(同22.5%高)となり、いずれも前年同月を大幅に上回った。

図3 国産豚肉(冷蔵)の仲間相場(卸売価格)の推移

 昨年夏は猛暑のため、種付けや生育の成績低下が冬以降の出荷頭数に反映したともいわれており、上場頭数の少ないことが品薄高の要因ともされているが、農林水産省食肉鶏卵課の「肉豚生産出荷予測」では、秋以降の出荷は例年並みに落ち着くと予測されている(図4)。夏場にかけてさらに需要が高まることから、今後も相場は堅調に推移すると予想される。

図4 肉豚生産出荷予測と過去の出荷実績


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