需給動向 国内

◆飼 料◆

平成20年10月〜12月期の配合飼料供給価格は、約2,500円の値上げ


◇絵でみる需給動向◇


 財務省「貿易統計」によると、平成20年8月のトウモロコシの輸入量は、788,163トン(前年同月比17.5%減)となり、13カ月連続で前年同月を下回った。輸入価格(CIF)は、トン当たり40,028円(同46.4高)と上昇した。米国では、家畜飼養頭羽数の減少やトウモロコシの飼料向け消費量が小麦などへの代替需要により減少する一方、燃料エタノール向けの消費量が増加し、ひっ迫傾向で推移するものと見込まれているため、今後の輸入量、輸入価格に及ぼす影響が懸念される。

 配合飼料工場渡価格(全畜種加重平均、税抜き)も上昇が続いている。農林水産省「流通飼料価格等実態調査」によると、6月の配合飼料工場渡価格は、トン当たり59,606円(前年同月比17.9%高)となっており、33カ月連続で前年同月を上回っている。(図)

 また、配合飼料の原料となる穀物価格の高騰が続いていることを背景に、全農は9月19日、20年度第3四半期(10−12月)の配合飼料供給価格を20年7月−9月に対し、全国全畜種総平均でトン当たり約2,500円値上げすることを公表した。

 値上げの要因として、全農は、(1)トウモロコシについては6月中旬以降米国産地で豪雨が続き、洪水によるトウモロコシ作付面積減少で、今後の期末在庫率見通しが8.05%(米国農務省9月12日発表)と依然低水準であることから、当面は現行水準の相場展開が見込まれる。(2)外国為替についてはサブプライムローン問題に起因する米国金融当局の景気浮揚策の実施や、EU諸国の景況感悪化等を受けて、ドルが買い戻され、6月上旬には105円前後で推移していたが現在は107円前後で推移している。(3)今後は米国経済の景気後退懸念はあるものの、EU諸国および日本の景況感悪化等から、一進一退の相場展開が見込まれる。─などを挙げている。

図6 配合飼料生産量と工場売渡価格


元のページに戻る