需給動向 海外

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昨今のポンド安基調により英国産豚肉の輸出量が増加傾向(英国)


◇絵でみる需給動向◇


 昨今のポンド安基調は、英国産豚肉の輸出の追い風となり、前年に比べ輸出量が増加傾向で推移している。英国農業・園芸開発委員会(AHDB:Agriculture and Horticulture Development Board)の市場調査によれば、直近1年間(2007年8月〜2008年7月)の英国産豚肉の輸出量は、EU域内向けでは前年同期比1.4%増の8万9千トン、EU域外向けでは同42.5%増の1万6千トンといずれも増加している。

 EU域内向けの輸出では、ポーランド向けの輸出増が注目される。同国向けの輸出は主に、加工向けの半丸や骨付きショルダーであり、ユーロ圏内の豚肉価格が堅調に推移する中(「畜産の情報2008年10月号」参照)、EU域内で価格が相対的に高いポーランド産豚肉に比べ、非ユーロ圏である英国産豚肉の調達が為替レートの変動により容易になり、このような動きにつながったとみられる。

 しかし、昨今のポンド安は対ユーロに限ったことではないことから、短期的には英国産豚肉の輸出の追い風となるものの、原油をはじめとする海外からの生産資材の調達コストが上昇することとなる。従って、中期的には英国産豚肉の生産コストが上昇し、為替のメリットが薄れて行くとみられる。

英国産豚肉の輸出額・量の動向

1ポンド当たりの為替レートの推移


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