穀物生産量は直近5年間の平均を上回ると予測欧州委員会は8月7日、EU27の2008年の穀物を含む作物生産予測を公表した。この予測によると、2008年の穀物生産量は、2007年を4千3百万トン上回る3億1百万トン(前年比16%増)としており、直近5年間(2003〜2007年)の平均と比較しても9%上回るとしている。 また、作付面積も、義務的休耕(セットアサイド)の率を2007年秋以降ゼロとしていることや穀物価格が高値となっていることから、前年比5%増となっている。
昨年干ばつの被害の大きかった国は2008年は天候に恵まれ収穫量も増加と期待穀物の成長に大きく影響する天候を見ると、中央・東ヨーロッパでは、2007/08年冬は、06/07年冬ほどではなかったものの、例年より温暖となり、気温も1975年〜2007年の平均気温と比較して暖かくなっている。また、フランス、スペイン北部、英国では、6、7月はやや涼しかったものの、穀物の成長には適した気候となっており、順調に成長していることから、これらの地域では生産量も増加するとしている。一方、ドイツ北部、ポーランド、オランダ、デンマークでは、乾燥した時期が春から6月まで長期に渡り続き、かつ気温も高かったことから生産量は伸びず、不作になるとしている。 しかし、昨年干ばつによる被害の大きかったルーマニア、ハンガリー、ブルガリアの2008年の予測を見ると、7月に降雨量が多かった国も見られるが、全般的に天候に恵まれ、好調な生産となると予測しており、全体では大幅に増加すると予測している。
フランス、イタリアのトウモロコシ生産量は増加傾向2008年の穀物収穫量は、1ヘクタール当たり5.03トンとなり、前年比11.1%増、直近5年間の平均と比較すると6.7%増としている。トウモロコシの収穫量を見ると、1ヘクタール当たり6.93トンと、前年比20.1%増と大幅に増加しており、直近5年間の平均数量との比較でも9.5%増となっている。トウモロコシの生産量の多い国を見ると、フランスでは1ヘクタール当たり9.2トンと前年を2.7%下回っているが、直近5年間の平均との比較では8.2%の増加となっており、生産量は1,440万トンと前年比2.3%増と予測している。また、イタリアは同9.6トンとそれぞれ3.4%増、8.4%増となっており、生産量も1,050万トンと前年比7.3%増の予測となっている。 そのほかの主要トウモロコシ生産国として挙げられるルーマニア、ハンガリーでは、昨年干ばつによる被害が大きく、2007年の収穫量も大きく落ち込んだものの、2008年は天候に恵まれ、それぞれ1ヘクタール当たりの収穫量は7.0トン(前年比94.4%増)、同3.5トン(同122.9%増)、生産量は840万トン、870万トンと、好調な生産を予測している。 フランス、イタリアの生産量の増加とこれらの国々の好調な生産により、トウモロコシ全体では大幅な増加を予測している。
EU27の1ヘクタール当たりの穀物収穫量
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