3,000万キロリットルに達する見込みブラジル地理統計院(IBGE)によると、2008年のブラジルの生乳生産量は、上半期の生産量増加により、2007年の生産量(2,720万キロリットル、暫定値)に比べ10.3%増の3,000万キロリットルに達すると見込まれている。これは、当初2010年に達するとみられていた数量である。IBGEによると、これまでの生乳生産量の年間増加率は、3%〜4%であったが、今年第一四半期の生産量は、前年同期比9.3%増の489万キロリットルとなった。
輸出量の大幅増加などで生産者価格が堅調に推移したことが原因この原因は、順調なブラジル経済の下、国内の乳製品消費が着実に増加してきた中で、2007年後半以降、粉乳類などの乳製品輸出が大幅に増加した結果、生乳の生産者価格が堅調に推移し、酪農家の生産意欲が刺激されたことにある。2007年上半期において0.55レアル/リットル(約38円:1レアル=69円)前後であった生乳の生産者価格(サンパウロ州の乳業会社と生産者団体との取引価格)は、下半期に入り上昇し、2008年に入っても堅調に推移している。2008年7月の価格は、前年同月比20.6%高の0.83レアル/リットル(57円)となり、過去5年間で最高の価格である2007年10月の価格0.80レアル/リットル(55円)を更新した。
生乳生産量
ベネズエラ向け粉乳類の輸出量は上半期で2006年の実績を上回るこの背景となった乳製品の輸出量の増加は、2008年上半期において前年同期比71.1%増の約6万5千トンとなり、特に、ベネズエラやアルジェリア向けなどの粉乳類の輸出量が同82.3%増の5万5千トンとなった。国別では、ベネズエラが過去5年間の最高である2006年(2万1千トン)に比べ14.1%増の2万4千トンとなり、輸出の4割以上を占めた。ブラジルのベネズエラ向け粉乳類の輸出量は、2006年から急増している。これは、ベネズエラの生乳生産量(年間約100万キロリットル)が国内需要(同250万キロリットル)を満たしていない状況下で、同国への主要輸出国であるアルゼンチンが粉乳類など乳製品の輸出税引き上げなど輸出抑制策を強化したことなどによる。なお、2008年におけるベネズエラのブラジルからの乳製品の輸入量は、全輸入量の40%に当たる7万トンと見込まれている。
生乳生産者価格
乳製品輸出量
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