需給動向 国内

◆鶏 肉◆

上昇が続く輸入品在庫率


◇絵でみる需給動向◇


 財務省「貿易統計」によると、平成20年11月の鶏肉輸入量は、前月より1万2千トン減少したものの、6カ月連続で前年同月を上回る3万6千トン(前年同月比6.4%増)となった。輸入品の増加により推定期末在庫量(当機構調べ)は積み増しが続き、18万トン(同46.4%増)と前年同月を大幅に上回った。在庫量の内訳は、輸入品は14万2千トン、国産品は3万7千トンとなった(図2)。

図2 鶏肉及び鶏肉調整品の輸入量と在庫量の推移

 在庫量増加の要因としては、消費者の低価格志向により牛肉から豚・鶏肉へ、さらに国産品から輸入品へ消費がシフトしたことがあげられるが、需要を上回る輸入量の急増が背景にある。

 こうした状況を反映し、推定出回り量を考慮した在庫率(月末在庫量を推定出回り量で割った値)を見ると、国産品は0.3カ月を下回っている。一方、輸入品については5.0カ月と近年まれに見る高水準であることが分かる(図3)。

図3 在庫率(在庫率=月末在庫量/推定出回量)の推移

 国産品と輸入品を合わせた在庫率が1カ月を超えた昨年8月頃から、国産品、輸入品とも卸売価格の値崩れが生じていることから(図4)、適正な在庫水準への回帰が期待される。

図4 鶏肉卸売価格の国産と輸入の比較

元のページに戻る