需給動向 海外

◆飼 料◆

中国、天候に恵まれトウモロコシの生産量は過去最高


◇絵でみる需給動向◇


良好な生育環境を受け単収は記録的

 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が2008年12月に公表した世界農産物生産(World Agricultural Production)によると、中国における2008/09年度(10月〜翌年9月)のトウモロコシの生産量は、生産地域の天候が良好な生育環境であることから、単収が増加することで過去最高となる豊作とされ、前年度を5.1%上回る1億6千万トンが見込まれている。

 単収は、前年度を6.0%上回る記録的な5.48トン/ヘクタールが見込まれており、その増加要因については、

 (1)トウモロコシの主産地である東北三省(黒龍江省、吉林省、遼寧省)などで天候異変が発生したものの、生産量を減少させるほどの大きなダメージには至らなかったこと、(2)ハイブリッド種(交雑種)が普及していること、(3)十分な施肥が行われていること−が挙げられている。

 なお、トウモロコシの収穫面積は、前年度を27万8千ヘクタール(▲0.9%)下回るとされており、これについては、作付け時に大豆の利益が見込まれたことで、トウモロコシから大豆に作付けがシフトしたことによるとしている。

政府、価格維持のためトウモロコシの買い付けを計画

 豊作から期末在庫は、前年度を5.6%上回る1億9,900万トンが見込まれている。USDAによると、中国政府は、トウモロコシの価格を維持し、農家収入を確保するため、主に東北地域で1千万トン規模のトウモロコシの買い付けを計画していると指摘している。また、中国政府は、在庫が増加していることやインフレ懸念が終息していることから、輸出量を増加させる意向を公表したとしている。

 豊作であることに加え、期末在庫が増加した要因については、

 (1)輸出量が政策的に抑えられていること、(2)飼料向け需要が緩和していること、(3)飼料向けに低品質小麦の需要が増加していること、(4)オリンピック期間中に、トウモロコシの加工工場が一時的に操業を中断していたこと−が挙げられている。


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