需給動向 海外

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バターおよび脱脂粉乳の域内価格の低下傾向続く


◇絵でみる需給動向◇


2008年12月におけるバターの域内価格は介入価格の86%の水準

 ドイツ市場価格情報センター(ZMP)によれば、2008年12月におけるバターの域内価格は、前月から2.42ユーロ(312円:1ユーロ=129円)低下し、100キログラム当たり211.33ユーロ(27,262円)と介入価格の86%の水準となった。欧州委員会は2008年11月、バターの民間在庫補助について、例年より2カ月前倒しの2009年1月より実施すると発表したが、これもバターの域内価格低下傾向の歯止めとはならなかった。民間在庫補助は、一定期間経過後に、より有利な条件で売却が見込める場合、魅力的な選択肢となり得る。しかし、価格支持の効果を生む欧州委員会による介入買入が、2009年3月の開始後早い段階で、限度数量(3万トン)超過に伴い終了し、その後は再び介入価格を下回る水準で放出されるとの見方が強く、このため、現時点では民間在庫補助への期待が十分高まらなかった模様だ。

図1 バターの域内価格の推移

2008年12月における飼料用脱脂粉乳の域内価格は介入価格の84%の水準

 一方、2008年12月の脱脂粉乳の域内価格は、飼料用、食用ともバターと同じく前月よりさらに低下し、それぞれ100キログラム当たり141.8ユーロ(18,292円)、170.0ユーロ(21,930円)となった。これらは、それぞれ介入価格の84%、100%に相当する水準であるが、介入価格自体が2008年12月時点の脱脂粉乳の国際価格よりも2割以上高い水準にあるため、輸出補助金がゼロとされている現状では、国際市場に活路を見いだすことも困難な状況となっている。

図2 脱脂粉乳(飼料用の域内価格の推移)
図3 脱脂粉乳(食用)の域内価格の推移

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