中国現地調査の結果を受けて3カ月にわたる輸入停止を解除シンガポールの食品安全を所管する農食品獣医庁(AVA)は2008年12月18日、9月19日以降予防的措置として実施していた中国産牛乳・乳製品およびこれらを原料とする製品(以下「乳製品など」と記す。)の輸入停止措置を解除すると発表した。 AVAの発表によれば、AVAの調査団による中国の農場、集乳センター、食品加工施設の調査と中国で実施されている全般的な管理システムの評価の結果、シンガポール向けの中国産乳製品などをメラミン汚染から防ぐために実施されている管理方法は満足できるものであり、これを受けて、AVAは12月18日付けで輸入停止措置を解除した。 メラミン汚染を防止するための条件を付加新たに輸入できる製品は、12月18日以降に製造されたものに限るとし、輸入に際しては、メラミン汚染を防止するため、以下の3つの条件を付加している。 1 中国当局により輸出が認可された加工施設で製造されたものに限る。 2 製造者は生産単位ごとに原材料と最終製品の検査を実施し、メラミン汚染がないことを確認する。 3 中国当局が生産単位ごとに製品の検査を実施し、シンガポール向け貨物添付用の、検査結果についての証明書を発行する。 さらに、AVAはシンガポールに輸入される製品について、輸入停止解除後も引き続きメラミン汚染がないように監視を実施するとしている。 最終的にメラミンが検出された中国産の製品は22品目この輸入停止の解除に先立ちAVAは、9月19日以降店頭から回収された乳製品などについて、リスクに応じて3段階の製品群に分け、再検査の上で段階的に販売を解禁する措置を講じている(11月17日付け海外駐在員情報(http://lin.alic.go.jp/alic/week/2008/sp/sp20081117.htm)参照)。 この結果、11月27日には、新たにメラミンが検出されたビスケット6品目を除く、327品目のすべての乳製品などの販売が解禁されたが、新たな輸入は認められていなかったため、輸入停止の解除が待たれていた。 なお、新たにメラミンが検出された6品目については、それまでに検出された33品目(中国産16品目、中国産の膨張剤が原因と考えられているマレーシア産ビスケット17品目)同様、AVAの監視下で破棄される。
消費者の信頼回復には時間も輸入停止措置は解除されたものの、中国産の乳製品などの売り上げが回復するのには、時間がかかるとみられている。報道によれば、小売業者は新しい製品が輸入できるようになることを歓迎しながらも、消費者の反応を見極めたいとしている。また、AVAの対策を信頼するという消費者の声を紹介する一方で、多少安くても、安全性が十分確かめられるまで中国産製品は買い控えたいとする声を多く紹介している。 【参考】AVAホームページURL |
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