2009年1〜3月の牛肉輸出数量は米国向けを中心に前年比15.0%増
2009年1〜3月の牛肉輸出量は、世界的な経済状況の悪化にもかかわらず前年同期比15.0%増の21万8,469トンといずれの月も前年実績を上回って推移している。輸出相手先別では、米国のほかインドネシア、台湾といった東南アジア向け輸出が増加している。
主な輸出相手先別に見ると、米国向けは、豪ドル安および米国内におけるファストフードを中心とした加工用牛肉需要が堅調であることなどから2008年10月以降前年同月を上回る状況となっている。2009年1〜3月では、前年同期比61.9%増の7万5,097トンと低水準であった2008年の実績を大幅に上回った。
日本向けは、2009年1〜3月の牛肉輸出量が同1.7%増の8万2,434トンとなっている。種類別に見ると、グラスフェッドが同3.1%減となったのに対し、グレインフェッドが同8.3%増となり、2008年に増加したグラスフェッドに代わりグレインフェッド・チルドの増加が始まっている。
同じく、韓国向けは、同26.9%減の2万2,786トンと前年実績を大幅に下回っている。韓国は2008年6月、米国と新たな条件での牛肉輸入に合意し、その後米国産牛肉の輸入が増加している。こういった状況を反映して、豪州産牛肉の韓国向け輸出量は2008年7月以降2009年3月までの間、前年割れの状況が続いている。
また、2008年に7万2,187トンと急激な増加を見せたロシア向けは、2009年3月の輸出量が1,000トン程度とやや回復したものの、依然として低水準となっている。
牛肉輸出量の推移
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牛肉輸出量、前年同月比の推移
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2008年、食肉専門小売店における牛肉、ラム肉販売シェアが上昇
経済状況の悪化を反映した食習慣の変化は豪州でも見られる。豪州では、家庭で高級部位の牛肉を調理する機会が減少し、代わりにピザなどファストフードでの売れ行きが好調であると報道されている。
こうした中、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)では2009年3月、2008年における食肉小売調査結果を公表した。これによると、牛肉およびラム肉の販売者別シェアは、2001年以来、初めて食肉専門小売店が最大手スーパーマーケットを上回った。食肉専門小売店での販売は、牛肉が30.8%、ラム肉が31.6%を占める一方、最大手スーパーマーケットのウールワース(WW)は、牛肉が29.1%、ラム肉が29.8%となった。MLAによると、食肉専門小売店での販売シェアが増加した要因として、MLAが2003年に立ち上げたレッド・ミート・ネットワーキング・クラブ(RMNC)の活動を挙げている。RMNCは、全国の食肉専門小売店の38%に当たる1,525者が会員となっており、商品の開発や共有、商品化計画、付加価値商品の開発など相互に取り組んでいる。
2008年生鮮食肉小売販売シェア
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