需給動向 国内

◆牛 肉◆

20年10〜12月の全国の乳用牛への黒毛和種交配状況は、前期より減少


◇絵でみる需給動向◇


 日本家畜人工授精師協会は3月19日、平成20年10〜12月の乳用牛への黒毛和種の交配状況(速報)を公表した。それによると、延べ人工授精頭数のうち乳用牛への黒毛和種授精頭数が占める比率は、全国平均で25.3%となり、前期(7〜9月)の27.1%を1.8ポイント下回り、5期連続で30%を下回って推移した(図1)。

 10〜12月の全国の黒毛和種交配率の下落は、人工授精頭数全体の約80%を占める北海道で、12.8%と前期を2.2ポイント、前年同期比で1.9ポイントとそれぞれ下回ったことなどが影響したものとみられる。

 都府県をブロック別にみると、中四国が前期から6.4ポイント増加したのを除き、各ブロックで前期と比べ減少の傾向が見られた。減少が大きい主なブロックは九州の5.1ポイント減、次いで近畿の4.5ポイント減、東海の2.1ポイント減となっている。

 また、黒毛和種授精頭数では、北海道で前期と比べ11.5%減少したものの、都府県では全ブロックにおいて増加した。都府県では20年に入って総じて減少が続いていたが、ここにきて頭数は増加に転じたこととなる。

 黒毛和種の交配減少の背景としては、交雑種(F1)の枝肉価格や子牛価格が低迷する中で、18年度から2カ年続いた生乳の減産型計画生産が、チーズ、生クリーム等向け需要の増加を見込んで昨年度から増産計画に転換したことにより、北海道内の酪農生産者を中心に生乳の増産意欲が高まりホルスタインの授精頭数が増加したことなどが挙げられる。

 なお、乳用牛への黒毛和種の交配状況が交雑種の枝肉出荷に影響を与え始めるのは、黒毛和種授精頭数の比率が3割を下回った牛が出荷時期を迎える22年秋ごろ以降となるが、今後の動向が注目されるところである。

図1 黒毛和種の交配状況の推移



元のページに戻る