農林水産省生産局畜産部食肉鶏卵課は3月27日、全国ブロイラー需給調整会議を開催し、21年度の需給見通しなどを公表した。これによると、21年度見通し(試算)の「需要量」は、景気等の状況により変動はあるものの国産志向の顕在化等により家計消費量が前年度を0.8%上回る634千トン、加工業務用が同1.4%下回る1,102千トン、合計で前年度を同0.7%下回る1,736千トンと見込んでいる。
一方、素ひな出荷羽数より推計した生産量(骨付きベース)は、種鶏導入羽数の増加や国産回帰による影響から前年度を0.5%上回る1,393千トンとし、輸入量(実量ベース)は、加工業務用需要量の伸びの鈍化を反映し、前年度を4.1%下回る354千トン、「供給量」全体では前年度を2.8%下回る1,747千トン、「在庫量」は前年度を3.1%上回る161千トンと試算した(表1)。
また、ブロイラー出荷計画羽数については、全国換算で6億9,750万羽と前年度を1.1%上回り、特にブロイラーの6割近くを生産する主要3県(岩手、宮崎、鹿児島)のうち、宮崎県は前年度を1.9%上回る出荷と見通している。
景気の低迷を受けて、鶏肉は加工業務用需要が落ち込むと予測されることから、同会議の中で、需要喚起が重要としつつも、競争力強化や安全性に関する情報開示などの対応も重要であるとし、引き続き需要に見合った生産の必要性が強調された。
表1 平成21年度ブロイラー需給見通し(単位:千トン)
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