需給動向 国内

◆飼 料◆

平成21年4月〜6月期の配合飼料供給価格は、約4,200円の値下げ


◇絵でみる需給動向◇


 全国農業協同組合連合会(全農)は3月19日、平成21年4〜6月期の配合飼料供給価格について、同年1〜3月期に対し、全国全畜種総平均トン当たり約4,200円値下げすると発表した。

 全農によると、値下げの要因としては、(1)トウモロコシのシカゴ定期が、南米の降雨不足を材料に一時400セント/ブッシェル台まで上昇したが、期末在庫率見通しが改善したことを受け、現在は380セント/ブッシェル前後で推移していること。(2)米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は、中国への鉄鋼石需要の減少や世界的な景気減速を背景に船腹需要が減少したことから一時30ドル/トン台まで急落したが、年明け以降は、中国の鉄鋼原料需要の回復により上昇し、現在は45ドル/トン前後で推移している。今後は、世界的な景気低迷は続くものの、中国への鉄鋼原料輸送が増加していく見通しから、海上運賃は堅調に推移すると見込まれること。(3)外国為替について、米国経済の悪化が深刻となったことから、一時1ドル90円前後まで円高が進んだが、その後、日本のGDPの急激な悪化と政局不安により円が売られ、現在は98円前後となっていること−としている。

 また、財務省「貿易統計」によると、トウモロコシの平成21年2月の平均輸入価格(CIF)も、前年同月比22.7%安のトン当たり22,419円と2カ月連続で前年同月を大幅に下回った。これは上記のとおり、シカゴ定期、海上運賃、為替の影響により価格が下がったものとみられる(図5)。

 なお、南米地域における干ばつの影響で、生産量は大幅な減少が見込まれており、これらの要因が穀物相場、ひいては、7月以降の配合飼料価格へ与える影響が懸念される。

図5 トウモロコシ シカゴ定期と輸入価格

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