2008/09年度は気象状況に恵まれ、生乳生産量は前年度を上回る見込み
ニュージーランドにおける2007/08年度(2007年6月〜2008年5月)の生乳生産量は、2007年晩春から2008年秋にかけて同国最大の酪農地域であるワイカト地区をはじめとした広い地域で厳しい干ばつとなったことから、前年度比2.6%減の1,474万5千キロリットルとなった。乳固形分ベースでは同3.5%減の127万トンで、うち乳脂肪が同3.7%減の72万2千トン、タンパク質が同3.2%減の54万8千トンとなった。
2008/09年度の生乳生産量は、地域により差が見られるものの気象状況が比較的良好で、2009年2月までの生乳生産量は前年度を2.5%程度上回っているとみられる。地域別では北島および南島ともに前年度を上回っており、特に南島における伸び率が高くなっている。このため、2009年3月に公表されたデイリー・オーストラリアの資料や業界関係者の話によると、2008/09年度通期の生乳生産量は前年度を5%程度上回るとみられている。
生乳生産量の推移
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フォンテラ、2008/09年度の生産者乳価は5.10NZドルの見込み制
最大の酪農協であるフォンテラの2008/09年度初期生産者乳価は、乳製品国際価格が非常に高い水準であることを反映して乳固形分1キログラム当たり7.00NZドル(406円:1NZドル=58円)と過去最高となった。しかしながら、その後、世界的な金融危機に伴い乳製品国際価格が急速に下落したため、年間の平均の予測乳価の引き下げが行われた。2009年1月には3度目の予測乳価の引き下げが行われ、同5.10NZドル(296円:1NZドル=58円)となっている。ただし、この乳価は、依然としてこれまでで3番目に高い水準となっている。業界関係者によると、乳価の引き下げについて一部酪農家で不満の声がみられるものの、大多数の酪農家は冷静な対応を取っているとのことである。 同社の近年の生産者乳価および今年度予測乳価の推移は次のとおりである。
図2 カナダ、米国、豪州およびEUの小麦在庫
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フォンテラは2009年3月24日、2008/09年度上半期の業績を公表した際、2008/09年度の最終生産者乳価は、現時点の水準(5.10NZドル)を維持する見込みであるとしている。なお、2008/09年度上半期の売上高は、国際乳製品価格の低下を反映して、前年度比7.6%減(会計期間の変更など調整後)となった。この結果は、外部環境が厳しい中において、好意的にとらえられているようである。
フォンテラ、全粉乳のオンライン取引価格は、2009年3月から回復基調
フォンテラは2008年7月から毎月、全粉乳のオンライン取引(グローバル・デイリー・トレード)を行っている。この取引価格は、取引開始以来、下落傾向を続けていたが、2009年3月以降回復傾向を見せている。業界関係者によると、今後の乳製品取引価格は変動を伴うものの、全体的には回復基調で推移していくとみている。
図2 カナダ、米国、豪州およびEUの小麦在庫
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