景気低迷による内食回帰や低価格志向の影響を受けて、豚肉の家計消費量は堅調に推移している。総務省「家計調査報告」によると、平成21年2月の豚肉の家計消費量は、数量ベースで486グラム(閏年換算後前年同月比2.5%増)となり、依然家計消費に占める豚肉の消費は好調であることがうかがえる。
さらに、テーブルミートとして需要の高い冷蔵品輸入豚肉は、これまで国産豚肉卸売価格が高値で推移していたことなどから(図2)、平成20年4月〜21年2月における輸入量は同14.9%増と、11カ月連続で前年水準を上回り推移している(図3)。財務省「貿易統計」によると、2月の豚肉輸入量は5万7千トンと12カ月ぶりに6万トンを切ったが、内訳では冷凍品はデンマークからの輸入量が5千トン(前年同月比39.6%減)と減少したことから全体でも3万5千トン(同8.7%減)と減少したものの、冷蔵品が2万2千トンと前年同月を8.4%上回った。
冷蔵品の輸入量がかなりの程度増加した結果、豚肉の在庫量は増加している。2月の推定期末在庫(機構調べ)によると、19万1千トン(同16.2%増)、内訳は国産品2万9千トン(同134.7%増)、輸入品16万1千トン(同6.5%増)と、国産品が前年同月比ベースで2.3倍となった。国産豚肉の在庫量減少に向けた消費拡大などの取り組みが重要となる。
図2 豚肉の生産量、国産在庫量及び枝肉卸売価格
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図3 輸入豚肉の冷蔵品・冷凍品別輸入量
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