2009/10年度の単収は前年度を17.2% 下回る
米国農務省海外農業局(USDA/FAS)によると、2009/10年度(7月〜翌年6月)におけるロシアの小麦生産量は、干ばつの影響による減少が見込まれている。干ばつは、ロシアにおける冬小麦生産量の大半を占める南部連邦管区、中央連邦管区および沿ヴォルガ連邦管区の小麦、トウモロコシ生産量を減少させ、また、沿ヴォルガ連邦管区などでの春小麦への影響が懸念されている(図1)。
図1 ロシア連邦管区
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小麦の収穫面積を見ると、2009/10年度は記録的な生産量となった前年度を5.2%上回る2,810万ヘクタールと予測されるが、干ばつにより単収は大幅に減少し、前年度を17.2%下回る1.98トン/ヘクタールとされ(図2)、生産量は前年度を12.9%下回る5,550万トンと見込まれている(図3)。
図2 ロシアにおける小麦の収穫面積と単収
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図3 ロシアの小麦生産量
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ロシア農業省、被害への補償措置を計画中
7月下旬に、ロシアの南部連邦管区で降雨は見られたが、生育の改善は限定的との見方である。幾つかの地区では、非常事態を宣言しており、ロシア農業省は、被害状況を把握するとともに補償措置を計画中とされる。
USDA/FASは、中央政府による補償措置の実施が見込まれると、地方政府は干ばつによる被害状況を過大に評価する傾向にあることも考慮すべきであると指摘している。
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