需給動向 国内

◆鶏 肉◆

国内相場は部位別の格差が拡大


◇絵でみる需給動向◇


 農林水産省「食鳥市況情報」などによると、国産もも肉の卸売価格(東京)は、需要の高まりを受けて上昇傾向にあり、平成22年2月はキログラム当たり677円(前年同月比11.3%高)とかなり上昇した。21年度前半の相場は、500円台で推移したが、20年12月以降は600円台後半にまで回復しており、年度平均(21年4月〜22年2月)では、同612円と、前年同期と比較して12.5%安となった。家計消費の割合が高まる中、食肉の中でも安価な鶏肉、とりわけ日本人の嗜好に合うもも肉への需要は高まる傾向にあり今後も高値で推移するとの見方がある。

 一方、むね肉の卸売価格は、夏場の低温による増体によりむね肉の割合が相対的に増加したとも言われていることに加え、業務・加工用需要が振るわないことから、2月は同201円(前年同月比29.6%安)、年度平均では同212円(前年同期比37.6%安)と低迷しており、むね肉ともも肉との価格差はキログラム当たり500円近く開いている(図3)。これらのことから、むね肉の在庫が増加している一方で、値頃感が出ているものと考えられる。

 国産もも肉の卸売価格が、キログラム当たり700円を超えると、輸入量が増加するとも言われていることから、今後の国内相場の動向が注目される。

図3 国産・輸入鶏肉の卸売価格と在庫量の推移

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