需給動向 国内

◆鶏 卵◆

21年下半期の生産量、前年同期を下回る


◇絵でみる需給動向◇


 農林水産省「鶏卵流通統計」によると、平成21年下半期(21年7〜12月)の生産量は、126万1千トン余りとなり、前年同期の127万7千トンに比べ1.3%の減少となった。一方、財務省「貿易統計」によると、年度累計(21年4月〜22年1月)の輸入量は、主用途である業務加工用向けが不景気により低迷したため、前年同期に比べ12.5%減少した。

 この結果、21年4月〜12月までの推定出回り量は、196万3千トンとなり、前年同期の220万1千トンに比べ10.8%の減少となった。

 このようなことから、最需要期を迎えた21年12月の卸売価格は、キログラム当たり209円(東京・Mサイズ)となり、生産量の抑制効果などから、卸売価格は3カ月連続で前年同月を上回って推移した(図5)。

 しかしながら、価格低下による鶏卵生産者の損失を補てんするための価格差補てん事業については、1月に基金財源がなくなったため、2月の卸売価格は194円であり、補てん単価は3円であったが交付されないこととなった。

 このような中、鶏卵生産者は卸売価格の下落を防ぐため、計画生産を実施しているところではあるが、今後も不振が続く加工業務用需要の減少などを反映し、鶏卵全体の消費減も見込まれることから、需要に見合った計画的な生産に取り組むことが重要である。

 こうした中、当機構は2月24日、卵価の低落による養鶏農家の経営悪化に対応するため、22年度に緊急的な鶏卵需給安定対策を実施することを決定した。鶏卵生産者が成鶏を出荷し、その後長期の空舎期間を設けて衛生環境の向上を図る場合に奨励金を支払うことにより、鶏卵の需給・価格の安定を図ることとなる。このほか、22年度の基準価格が、前年度のキログラム当たり191円から同181円に引き下げられた。

図5 鶏卵卸売価格と生産量の推移

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