配合飼料の成分構成の約5割を占めるトウモロコシの国際価格(シカゴ定期相場)は、ブッシェル当たり378米セントと、2カ月連続して400米セント台を下回った。
トウモロコシのシカゴ定期相場は、平成20年上半期の高騰から一転して下落し、300米セント後半から400米セント前後で推移していたが、平成21年11月には5カ月ぶりに400米セント台となり、上昇が懸念されていた(図6)。
シカゴ定期相場が落ち着いた要因としては、米国の主要生産地域の気候が安定し豊作となったことや、バイオエタノール需要の減少、投機資金の流出などが考えられている。
また、飼料の輸入価格に影響を及ぼす要因の一つである海上運賃(米国ガルフ〜日本間)については、中国の大豆・石炭・鉄鉱石に対する船腹需要の増加などにより上昇傾向で推移しており、22年2月は、前月からは下落したもののトン当たり61.8ドルとなった(図7)。
シカゴ定期相場が現状のまま落ち着けば、畜産関係者にとっては喜ばしいことであるが、収穫時の長雨による米国産トウモロコシの品質悪化に伴い、南米産へのシフトやたんぱく質不足分を大豆ミールなどで補う必要性などが報じられている。これらに加え、上昇傾向の海上運賃および先行き不透明な為替状況なども今後の配合飼料価格に大きく影響を与えるだけに、シカゴ定期相場の動向とともに注目していきたい。
図6 トウモロコシ、大豆ミールのシカゴ定期相場
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図7 海上運賃の推移(ガルフ〜日本)
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