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(「はじめに」より抜粋)
著しい経済成長により、その動向が世界に大きな影響を及ぼすようになった中国は、酪農の分野でもインド、米国に次ぐ世界第3位の生乳生産国となった。その背景には、中央政府・地方政府などによる酪農・乳業への政策的支援や栄養価値に関する普及啓もうに加え、経済発展による所得・生活水準の向上に伴う食生活の多様化などとも相まって、都市部を中心に乳・乳製品の消費が大幅に拡大してきたことがある。それにより、中国はホエイや全粉乳などの輸入も増加し、世界有数の乳製品輸入国ともなっている。近年の激しい価格変動や需給の動きの中で、中国13億人市場の動向は、他の食料および農産物同様、世界の乳・乳製品需給に大きな影響を及ぼす要素の一つである。また、酪農の発展は必然的に粗飼料および飼料穀物需要の拡大を伴う。
このような観点から、中国の「新しい産業」として酪農・乳業をとらえ、最大の酪農地帯である内蒙古自治区、新しい農業・酪農の在り方を探る山東省および北京市、上海市などの大都市部を中心に、2006年9月、2007年3月および2009年7〜8月に調査を行い、その発展の背景と酪農・乳業の構造の変化を探った成果を本書に記した。 (以下略)
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