需給動向 海外

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2010年2月の豚枝肉卸売価格は前月比3.4%高


◇絵でみる需給動向◇


前年同月比でも1.3%高

 2010年2月の豚枝肉卸売価格は、100キログラム当たり135.12ユーロ(約16,350円:1ユーロ=121円)と前月比で3.4%上昇した。卸売価格が前月比で上昇に転じたのは、2009年7月以来ということになる(図5)。欧州委員会が2009年5月時点で発表した豚肉需給見通しでは、生産基盤の縮小に伴うと畜頭数の減少が見込まれていたこともあり、2009年の卸売価格は、好調であった2008年に準じる水準で堅調に推移すると予測されていた。しかしながら、経済危機による域内外の豚肉需要の冷え込みが影響する形で2009年夏以降の価格は前年同月比での下げ幅が顕著となり、2009年の平均価格は同142.22ユーロ(約17,209円)と前年を7.2%下回ることとなった。このような中で、2010年2月の卸売価格が前年同月比で1.3%高となり、1年ぶりに前年同月の値を上回ったことは注目される。
図5 EUにおける豚枝肉卸売価格の推移

2010年における四半期別と畜頭数はいずれも前年同期を上回る見込み

 一方、欧州の調査会社GIRAの分析によると、2010年における四半期別と畜頭数はいずれも前年同期を上回る見込みとなっている(図6)。EUの豚肉生産基盤は、飼料原料価格の高騰、経済危機による豚肉需要の冷え込みなどの逆風を受け、2007年から2008年にかけて大幅に縮小したが、2009年12月時点の飼養頭数を見ても、主要豚肉生産国を中心に回復もしくは底打ち傾向にあることが読み取れる(表1)。

 また、GIRAは、近年生体の貿易が活発化しているデンマーク、オランダおよびドイツの3カ国の生産構造の変化にも注目している。これは、これら3カ国における豚飼養頭数が2000年から2009年にかけて5100万頭前後で大きな変化がないにもかかわらず、繁殖母豚頭数は同じ期間に10%以上減少している。

図6 四半期別豚と畜頭数の動向(前年同期比)
 この変化は、ドイツに毎年数百万頭規模の子豚を供給しているデンマーク、オランダ両国の養豚において著しい生産性の向上が図られていることを裏付けるものと言えよう。
表1 EUにおける豚飼養頭数の推移

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