ソルガムの減産により夏穀物総生産量は前年度比36%減の見込み 豪州農業資源経済局(ABARE)は2月16日、2009/10年度(7〜6月)穀物生産見通しを発表した。これによると、夏穀物の総生産量は、ソルガムの減産見込みにより前年度比36%減の245万トンと前回12月発表時の276万トンからさらに下方修正された。 減産が見込まれるソルガムの作付面積は、同43%減の42万9千ヘクタールと予測されている。これは、主産地であるニューサウスウェールズ(NSW)州北部およびクイーンズランド(QLD)州南部において、春から初夏にかけて降水量が平年をかなり下回ったことが大きいとしている。主産地では、2月初めにかなりまとまった降雨があり、QLD州中央部では作付面積の増加につながったものの、同州南部では作付けには遅すぎたとしている。単位面積当たりの収穫量は、この降雨による早まきのソルガムの生育状況の改善から、前年度を上回ると見込まれるが、生産量は作付面積の減少見込みを反映して同53%減の126万トンと大幅に減少すると予測されている。 一方、綿実は、かんがい用水の割当量が前年度より低下したものの、ほかの作物に比べ収益が高いと予測されたことから、作付面積は同23%増の20万2千ヘクタール、生産量は同12%増の52万4千トンと増産が見込まれている。また、かんがい用水の割当が改善されたコメの作付面積は、同23%増の1万9千ヘクタール、生産量は同2.8倍の17万5千トンと、過去5年の平均には程遠いものの、かなりの増産が予測されている。
これに対し、冬穀物の総生産量は、前回12月発表時の3570万トンからわずかに下方修正されたものの、前年度比4%増の3519万トンと見込まれている。下方修正の要因としては、南オーストラリア州およびビクトリア州における2009年末の熱波とこれに続いた多雨の影響で単位面積当たりの収穫量の減少が見込まれることが大きいとしている。品目別に見ると、小麦が同3.4%増の2166万トン、大麦が同4.9%増の805万トン、カノーラが同2.6%減の191万トンと見込まれている。 |
元のページに戻る