当機構調べの推定期末在庫量を見ると、21年11月の国産品在庫量は前年同月比14.5%減の3万2千トン、輸入品在庫量は同36.8%減少の9万トンとなり、合計で12万2千トン、前年同月比では32.1%減と大幅な減少となった。これは、ブラジルからの輸入量が2万3千トン(前年同月比33.4%減、財務省「貿易統計」より)と大幅に減少したことに加えて、クリスマスなどの需要期にもかかわらず、輸入品の卸売価格が上昇しなかったとや手軽に食べられるコンビニなどのフライドチキン用の需要などにより輸入品の出回り量が3万3千トン(同15.8%増)と増加し、在庫の取り崩しが行われたことが要因とみられる。
一方、国産品の卸売価格については、むね肉は昨年度の価格高騰時の6割程度まで下落しており、21年4〜12月における平均卸売価格は214円と、過去10年間では12年度に次ぐ安値となっている。これに対し、もも肉については、4月以降、堅調に推移しており、12月の卸売価格がキログラム当たり651円(同0.9%安)と、前年とほぼ同じ水準にまで回復している。食肉の中でも安価な鶏肉へ需要がシフトしていることと、日本人のもも肉志向などが影響していることがうかがえる。
図4 産・輸入鶏肉の卸売価格と在庫量の推移
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