タイ農業・協同組合省（MOAC）によると、2009年9月のブロイラー生産量は、前年同月比3.6％増の約7千8百万羽となった。
ブロイラー生産量は、2008年12月以降前年を下回って推移していたが、2009年5月に増加に転じ、7月には前年同月比0.9％増、8月も同2.7％増で推移した結果、第3四半期は前年同期比2.4％増の約2億3千2百万羽と回復傾向で推移した。第3四半期まで（1〜9月）の生産量は、前年同期比4.9％減の約6億4千3百万羽となった。ひなふ化羽数についても、ブロイラー生産量と同様に推移しており、9月のひなふ化羽数は前年同月比3.6％増の約8千百万羽となった。
MOAC畜産開発局畜産研究事務所によれば、ブロイラー生産量の2008年12月以降の減少と2009年5月以降の回復は鶏肉調製品輸出量の動向を反映しているとのことであり、2009年5月以降の生産量の増加傾向も、堅調な輸出に支えられているものと思われる。
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図7 ブロイラー生産量と鶏肉調製品輸出量の推移
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9月の卸売価格（生体）は、前年同月比5.3％高のキログラム当たり41.1バーツ（約115円：1バーツ＝2.8円）と、前年同月をやや上回った。卸売価格（生体）は、2007年3月以降前年を上回って推移していたが、世界的不況の影響による輸出市場の不調を受け、2008年10月には前年同月比で10.7％安とかなり下回った。その後も下落傾向が続いたものの、2009年4月には上昇に転じ、6月に価格が前年同月を4.3％上回った後は横ばいで推移していた。
この結果、2009年第3四半期の平均価格はキログラム当たり36.5バーツ（約102円）と、前年同期は約7.5％下回っているものの、2007年同期では13.7％上回っている。
9月の小売価格（中抜き）は、前年同月比1.1％高のキログラム当たり63.0バーツ（約176円）となった。
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図8 ブロイラー生産量と卸売価格の推移
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2009年第3四半期までの鶏肉調製品の輸出は前年同期をわずかに上回る
9月の鶏肉調製品の輸出量は、前年同月比5.4％減の約3万1千トンとなった。主な輸出国別で見ると、日本向けは同16.6％減の約1万3千6百トンと大幅に減少したが、これは2008年9月の輸出量が同98.5％増の約1万6千3百トンだったことを反映しており、2007年同月比では65.5％増となっている。シェアは43.2％となっている。
EU向けは約1万5千8百トンと、前年同月比7.6％増加し、シェアは50.3％となった。このうち、英国向けは同14.1％増の約1万1千百トン、オランダ向けは同5.0％減の約2千5百トンとなった。
2009年第3四半期までの輸出量は約25万8千トンとなり、前年同期の実績約26万4千トンを2.4％下回った。国別で見ると、日本向けは前年同期比3.1％減の約11万2千トン、EU向けは同0.8％減の約12万3千トン、うち英国向けは同8.5％増の約8万5千トン、オランダ向けは同27.0％減の約2万トンとなった。国別シェアを見ると、日本向けは43.3％と、前年の43.6％から0.3ポイント減少した。EU向けは50.2％と、前年の49.4％から0.8ポイント増加し、5割を上回った。EU向けの65％以上を占める英国は29.7％から33.0％と増加したが、同約15％を占めるオランダは10.3％から7.7％へと減少した。
また、日本とEU以外の新規市場として有望視されている国では、シンガポール向けが同3.5％減の約7千2百トン、韓国向けが同6.9％減の約4千1百トン、香港向けが同7.6％増の約2千9百トンとなっている。
シンガポール以外の東南アジア諸国向けでは、ベトナムが同55.7％減の約6百トン、ミャンマーが同6.2％減の約2百トンと減少しているが、一定のシェアは確保している。
2007年に輸出が再開されたアラブ首長国連邦には79トンが輸出されたが、2008年に輸出が再開されたサウジアラビアには輸出実績はなかった。一方、2008年には輸出実績がなかったロシア連邦に、12トン輸出された。
また、9月の平均輸出価格は、前年同月比15.8％安のトン当たり130,401バーツ（約36万5千円）となった。平均輸出価格は、2008年11月に同34.2％高のトン当たり158,706バーツ（約44万4千円）となった後低下傾向で推移し、2009年6月には同2.2％安のトン当たり128,331バーツ（約35万9千円）まで下げ、7月に上昇傾向に転じた後、横ばいで推移している。（40ページの「鶏肉調製品輸出価格」グラフ参照）
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表2 鶏肉調製品国別輸出量（2009年1〜9月）
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