大豆輸入量は、この5年間で約24倍の伸び
世界最大の大豆輸入国は中国で、2009/10年度には世界全体の貿易量の5割を上回る4,100万トンの輸入が見込まれている。ロシアは、中国の輸入量とは比較にならないが、近年大豆輸入が急増している。
米国農務省海外農業局(USDA/FAS:Oilseeds:World Markets and Trade)によると、ロシアの大豆輸入量は、過去5年間にわたり、主に鶏肉生産向けの飼料需要拡大と大豆の圧搾能力を拡大する政策を背景として4万トンから95万トンに約24倍という著しい増加を示している(図14)。
図14 ロシアの大豆輸入量などの推移
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鶏肉生産量は、この6年間で3倍を上回る
この6年間(2004年〜2010年)の鶏肉生産量(ブロイラー)は65万トンから197万5千トンに約3倍を上回り(図15)、2009/10年度の大豆輸入量は、さらに前年を10%以上上回ると見込まれている。
USDA/FASによると、大豆かすには暫定的に5%という定率の輸入関税が課されており、この税率の適用期限が延長されていることも大豆輸入の増加に拍車を掛けているとしている。
鶏肉生産量は拡大しているものの小麦が豊作であることから、飼料向け小麦を潤沢に抱えたことで、大豆かす需要には限りがあるともされているが、現状では、今後とも大豆に対する需要の拡大が見込まれている。
ロシアは、遺伝子組み換えが行われていない大豆を購入する傾向が強く、主として輸入先はブラジルである。ブラジルの生産力の拡大は、こうした増大する世界の需要に見合ったものとなっている。
図15 ロシアの鶏肉生産量の推移
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