12〜翌年1月の卸売価格は前年同月に比べ下落
タイ農業・協同組合省によると、2011年のブロイラー処理羽数は9億9100万羽となり、前年より4.3%増加している。
第1〜3四半期のブロイラー生産量は、堅調な内需・外需がけん引して、前年を上回る水準で推移した。特に洪水の影響が懸念され始めた第3四半期には、大規模インテグレーターが処理計画の前倒しを行ったため処理羽数は大幅に増加した。第4四半期に入った10〜11月には、洪水の影響がバンコクにまで及んできたことから、食鳥処理業務にも影響が出始め、2011年11月は8424万羽(前年同月比3.2%減)、12月は8156万羽(同1.5%減)となり、当該期間では2億5400万羽と前年と同水準にとどまった。
図6 四半期別のブロイラー生産量
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資料:タイ農業・協同組合省
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タイ商務省が発表する卸売価格は、7月以降ほぼ横ばいで推移していたが、12月には1キログラム当たり39.5バーツ(前年同月比8%減)と下落し、2012年に入っても軟調に推移した。1月は39.3バーツ(同13%減)、2月は36.8バーツ(同23%減)と大きく下落した。これは、10月、11月の洪水の影響から復旧のための支出が増え、家計消費が減退したこと、洪水の期間出荷できず冷凍保存されていた在庫が12月になり市場に出回ったことなどが影響したとみられる。
図7 ブロイラー生産量と卸売価格の推移
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資料:生産量;タイ農業・協同組合省、卸売価格;タイ商務省
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日本向け調整品輸出は堅調
タイ財務省によると、2011年の鶏肉調製品の輸出量は、前年同期比4.2%増の41万6トンとなった。全体の9割弱が日本や英国に仕向けられる。日本の輸出量は同8.7%増と前年を上回った。これは、外食産業など業務用としての需要が引き続き堅調であるためである。一方、オランダの輸出量は前年を下回ったが、ドイツ向けの輸出量は増加したため、両国の差は縮まってきている。シンガポールや韓国向けの輸出量も増加している。
鶏肉調製品の輸出価格は、7月まで前年を上回る水準で推移したものの、8月は生体価格の下落の影響により一旦は大きく下落した。その後はトン当たり14万バーツを若干上回る程度で推移し、おおむね前年を10%上回る価格水準で推移している。
図8 タイの鶏肉調整品輸出量と価格
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資料:タイ財務省
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