需給動向 海外

◆豪州◆

生産環境の回復に伴い、酪農経営者は前向きな見通し


生乳生産、減少傾向が継続

 デーリー・オーストラリア(DA)によると、2013年8月の生乳生産量は、73万4500キロリットル(前年同月比4.7%減)と、9カ月連続で前年同月を下回った(図26)。前年度の乾燥気候による牧草の生育悪化、小麦など飼料穀物相場の比較的高水準での推移、一部酪農生産地域における8月の降水量の減少などから、これまでの減少傾向が継続した形になった。

 しかしながら、生乳生産が本格化する9月以降に向けて、生産環境は回復傾向にある。

 DAの生産投入物に関する調査によると、8月の飼料の取引価格は、濃厚飼料、粗飼料ともに7月に比べ低下しており、かんがい酪農に用いる水の利用可能量も、水源となるダムの貯水率の上昇に伴い増加傾向にある。このため、9月以降、生乳生産の回復が見込まれる。
図26 生乳生産量の推移
資料:DA
  注:年度は7月〜翌6月

酪農経営者は前向きな見通し

 生産環境の回復に伴い、酪農経営者は今後の酪農経営について、前向きな見通しを示している(図27)。DAが8月に実施した酪農経営者の意識調査によると、豪州の酪農経営者の73パーセントが今後の酪農産業の見通しは「非常に良好」または「良好」であるとしており、前回2月の調査時から30ポイント上昇している。地域別に見ると、輸出向け乳製品の生産が主体のビクトリア州、タスマニア州が特に前向きな見通しを示しており、生産環境の回復に加え、堅調な国際相場が影響しているとみられる。また、40パーセントの酪農経営者が、今後1年間に新たな設備投資の意向を示しており、前回から11ポイント増加している。特に水利用可能量の増加により、かんがい酪農地域であるマレー川地域では、半数の酪農経営者が投資意欲を示している。
図27 酪農経営者の今後の酪農産業の見通し
資料:DA

2013/14年度の生乳生産、輸出はともに増加の見込み

 豪州農業資源経済科学局(ABARES)は9月、2013/14年度(7月〜翌6月)の生乳需給に関する見通しの改訂版を公表した(表14)。これによると、生乳生産量は、気象条件の回復や、かんがい用水利用可能量の増加、飼料穀物価格の下落などにより、前年度を上回る940万キロリットル(前年度比2.2%増)と予測している。また、乳製品の輸出額は、高水準の国際相場や豪ドル安で推移する為替相場を見込み、25億6200万豪ドル(2383億円:1豪ドル=93円、同14.9%増)と予測している。一方、主要乳製品の国際価格については、脱脂粉乳、全粉乳、バター、チーズいずれも前年度を3パーセント程度上回ると見込んでおり、堅調な国際相場は今後も継続すると予測している。
表14 豪州の生乳需給の推移
資料:ABARES「Agricultural commodities September quarter 2013」
  注:2012/13年度は暫定値、2013/14年度は予測値

                                       (調査情報部 根本 悠)


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