2013年1〜8月の生産量は4.7パーセント増
メキシコ連邦政府農牧農村開発漁業食糧省(SAGARPA)によると、2013年1〜8月までの豚肉生産量は、前年同期比4.7パーセント増の82万6149トンとなった。生産量を地域別に見ると、主要生産地である南部のユカタン州(同16.3%増)、ベラクルス州(同9.5%増)、北西部のソノラ州(同6.2%増)の伸びが目立っている(表7)。生産量の増加要因として、飼料価格の上昇に伴い、生産者が肥育期間を短縮し、早期出荷を行っているものと考えられる。
表7 州別の豚肉生産量 |
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資料:SAGARPA
注:州名は2013年における総生産量の多い州から列挙 |
米国農務省(USDA)が公表したレポートによると、2013年の豚肉生産量は126万5000トン、また2014年は129万トンの見通しを示している(図14)。この背景には、肥育技術の向上や出荷体重の増加などがあり、さらに、業界では中国市場の開放をにらんで生産拡大を図っていることも要因とみられる。
図14 豚肉生産量の推移 |
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資料:USDA
注:2013、2014年は予測値
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日本向け輸出量は依然好調
2013年1〜7月の豚肉輸出量は前年同期比14.6パーセント増の4万5352トン、輸出額は同18.3パーセント増の2億3548万米ドル(231億円:1米ドル=98円)となった。国別では総輸出量の8割を占める日本向けが同33.2パーセント増の3万7889トンとなる一方、米国向けが同21.4パーセント減の3966トン、韓国向けが同41.7パーセント減の3493トンといずれも前年同期を下回った(表8、図15)。
表8 国別輸出の推移
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資料:GTI社「Global Trade Atlas」 |
図15 国別輸出量割合(2013年1〜7月)
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資料:GTI社「Global Trade Atlas」 |
一方、2013年1〜7月の豚肉輸入量は前年同期比15.9パーセント増の32万1235トンとなった(表9、図16)。全輸入量の9割を占める米国は、輸入量の半数以上が冷蔵のもも、かたであり、主に加工向けや総菜向けに使用されている。
表9 国別輸入の推移
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資料:GTI社「Global Trade Atlas」 |
図16 国別輸入量割合(2013年1〜7月)
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資料:GTI社「Global Trade Atlas」 |
豚肉消費量は増加傾向
2013年の豚肉消費量は前年比4.3パーセント増の193万トンと見込まれている。これは、中間所得層の消費者が牛肉や鶏肉から豚肉消費へシフトしていることが大きい。牛肉が豚肉よりも価格が高いことに加え、鶏肉は鳥インフルエンザの影響による消費者離れが影響しているものとみられる。豚肉業界団体が実施している消費キャンペーンも功を奏し、消費者の間に豚肉が健康に良いというイメージが浸透しつつあるとしている。このため、2014年の消費量は196万トンと見込まれている。
(調査情報部 横打 友恵)
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