需給動向 海外

◆米 国◆

2013年、牛肉輸入量、輸出量とも前年を上回る


牛肉輸入量、2年連続で前年を上回る

 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2013年の牛肉輸入量(枝肉重量ベース、速報値)は前年比1.4パーセント増の102万1000トンと2年連続で前年を上回った(表1)。

表1 牛肉の生産量、輸入量、輸出量の推移
資料:USDA
注 1:数量は枝肉重量ベースのもの。
  2:2013年は速報値、2014年は予測値
 米国の牛肉生産は、2011、2012年の干ばつにより繁殖雌牛のと畜が進んだことなどから牛群が縮小し、肥育もと牛の供給量が落ち込んでいるため減少している。この国内減産分を補完するため、加工向けを中心に輸入量が増加することとなった。

 また、USDA/ERSが2月14日に公表した「Livestock, Dairy, and Poultry Outlook」によると、国内の牛肉生産は2014年も減少見込みであることから、輸入量は同1.5パーセント増の103万6000トンになると見込んでいる。

豪州からの輸入は前年減、カナダ、NZからは前年増

 牛肉輸入量を相手国別に見ると、豪州からの輸入が最も多く、前年比4.7パーセント減の28万3000トンとなった(図1)。同国からは、中国などのアジア向けの輸出が増加したことで、米国向けが減少する形となった。

 次いで輸入量が多かったのはカナダで、同0.1パーセント増の24万4000トンとなった。同国からの輸入は、2011年まで、米国にとって最大の輸入相手先であったが、同国でも繁殖雌牛飼養頭数の減少傾向が続いており、と畜頭数減から牛肉輸出が減少してきているとみられている。

 第3位は、ニュージーランドで、前年比6.2パーセント増の23万9000トンとなった。同国では、2013年2〜3月にかけて記録的な干ばつが発生し、と畜頭数が増加したことから、牛肉輸出量が増加した。
図1 国別牛肉輸入量の推移
資料:USDA
  注:2013年は速報値、2014年は予測値

2013年は、アジア向けの増加により、前年比5.3パーセント増

 一方、2013年の牛肉輸出量は、前年比5.3パーセント増の117万2000トンと増加した(図2)。特にアジア向けの輸出量が増加しており、日本向けは同49.3パーセント増の30万4000トン、香港向けは同71.0パーセント増の16万3000トンとなった。いずれの国も米国産牛肉の輸入月齢が引き上げられたことが増加要因とされている。

 USDA/ERSによると、2014年の輸出量は、国内の生産減少により同9.6パーセント減の105万9000トンと見込まれている。
図2 国別牛肉輸出量の推移
資料:USDA
  注:2013年は速報値、2014年は予測値
                                      (調査情報部 山ア 良人)


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