需給動向 国内

◆鶏 肉◆

推定期末在庫、引き続き前年を大幅に下回る水準で推移


 平成26年1月の国内生産量は、12万891トン(前年同月比4.0%増)と、前年をやや上回ったものの、輸入量は、3万5318トン(同1.1%減)、推定出回り量は、14万8095トン(同2.9%増)となった。こうしたことから、推定期末在庫は、前月からは積み増したものの、10万9646トン(同20.0%減)と、前年を大幅に下回った。内訳を見ると、国産品は2万2488トン(同36.0%減)、輸入品は8万7158トン(同14.5%減)となった。24年度および25年度前半における在庫量が高水準だった反動もあり、国産品在庫は15カ月連続、輸入品は13カ月連続で前年を下回っている(図5)。
図5 鶏肉在庫量の推移

資料:農畜産業振興機構調べ

 在庫量が減少傾向で推移している背景として、供給面では、昨夏の猛暑による生産量の伸び悩みや、現地相場高および為替の円安傾向による輸入量の減少が挙げられる。一方、需要面では、牛肉や豚肉の相場高を受けた堅調な家計消費が挙げられる。これに加え、減少傾向にある輸入冷凍豚肉の代替として、加工メーカーからの国産むね肉への強い引き合いもある。

 こうした需給状況の中、26年2月の国産もも肉価格は、キログラム当たり682円(前年同月比9.6%高)と7カ月連続で、国産むね肉価格は、同286円(同27.6%高)と15カ月連続で前年を上回っており、堅調な推移を見せている(図6)。

図6 鶏肉卸売価格の月別推移

資料:農林水産省「食鳥市況情報」

堅調な国産鶏肉卸売価格が継続する見込み

 今後の国内の生産動向については、既報の通り、春以降に本格的な回復が見られると予想されているものの、2月上・中旬に関東甲信越で発生した大雪による鶏舎の倒壊などによる影響から、回復時期が予想よりも遅れるとの声もある。輸入については、約9割を占めるブラジル産の買付環境は、輸入業者にとって厳しい状況が継続していること、また、タイ産は、生鮮鶏肉の輸入停止措置が解除されたものの、同国からのオファー価格が高いことから、全体として、輸入量が需給に大きな影響を及ぼすほど増加することは考えにくい。需要面については、他畜種の相場高が継続しており、価格優位性のある鶏肉消費は堅調に推移するとみられる。

 こうしたことから、今後の価格動向については、現在の需給状況に大きな変化が見られなければ、例年どおりの季節変動を見せながら、引き続き前年を上回って推移することが見込まれる。

                                      (畜産需給部 山口 真功)

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