需給動向 海外

◆豪州◆

生乳生産・乳製品輸出ともに回復傾向


生乳生産、2カ月連続で増加

 デーリー・オーストラリア(DA)によると、2014年1月の生乳生産量は、80万5200キロリットル(前年同月比3.1%増)となった(図18)。生乳生産量は2013年11月まで減少傾向であったものの、12月以降、2カ月連続で前年同月を上回っている。

 州ごとの状況を見ると、主要酪農地域であるビクトリア(VIC)州と近年生乳生産が増加しているタスマニア州が前年同月を上回っている。両州は主に輸出向けを中心とした乳製品の地帯であるが、乳製品国際相場が高騰していることや、高い乳価とそれに伴う補助飼料の投入が進んでいること、また、昨年度の乾燥気候に比べて、気象条件が改善していることなどが増加の背景にあるとみられている。

 一方、豪州北部(クイーンズランド州やニューサウスウェールズ(NSW)州北部)では、干ばつによる生乳生産の減少が続いている。このため、豪州南部(NSW州南部やVIC州)から小麦や乾草の購入が増加している。DAによると、2月現在の飼料価格に大きな変動は見られないが、今後の気象条件次第では、飼料価格の上昇も予想されている。
図18 豪州の生乳生産量の推移
資料:DA
  注:年度は7月〜翌6月

乳製品輸出、全粉乳とバターは増加

 DAによると、2013年12月の主な乳製品の輸出量は、脱脂粉乳が1万3594トン(前年同月比26.1%減)、全粉乳が1万2910トン(同27.5%増)、バターが6,380トン(同8.0%増)、チーズが1万4699トン(同8.5%減)となり、全粉乳とバターは前年同月を上回った(図19)。特に全粉乳の輸出量は、中国からの継続的な需要に伴い大幅に増加している。また、バターについては、ロシア向け輸出量が大幅に増加しているが、これは、ロシアの生乳生産が当初の見込みを下回るとされる中で、乳製品の輸入を増加しているためとみられる。
図19 豪州の乳製品輸出量の推移
資料:DA

国際相場、わずかに下落

 3月4日に開催された乳製品国際相場の指標とされるグローバルデーリートレード(GDT:フォンテラ社主催の電子オークション、月2回開催)によると、脱脂粉乳の平均価格は1トン当たり4,658米ドル(47万9774円:1米ドル=103円、前年同期比23.9%高、前回比2.5%安)、全粉乳は同4,703米ドル(48万4409円、前年同期比9.4%高、前回比5.9%安)となった(図20)。これら価格は依然高水準にあるものの、これまでの上昇傾向の反動から、1月以降わずかながら下落傾向となっている。現地報道によると、最近は脱脂粉乳の国際的な供給競争が増しているとしており、こうしたことが相場の上昇が抑制された背景にあるとみられている。
図20 GDTにおける乳製品相場の推移
資料:GDT

豪州最大手乳業、乳価の引き上げを発表

 豪州最大の乳業メーカーであるマレーゴールバン酪農協同組合は2月、2013/14年度(2013年7月〜翌6月)の乳価を乳固形分1キログラム当たり6.25豪ドルから6.53豪ドル(607円:1豪ドル=93円、生乳1リットル当たり0.49豪ドル(46円)に相当)に引き上げると発表した。今年度4回目の引き上げとなる。同社は、乳製品に対する旺盛な国際需要により全粉乳の国際価格が記録的な水準であること、バター、チーズの国際価格も高止まりしていることを引き上げの理由としている。同社の乳価引き上げを受け、今後の他の乳業メーカーの動向が注目されている。

ABARESの中長期見通し、生乳生産、乳製品輸出はともに増加

 豪州農業資源経済科学局(ABARES)は3月、牛乳乳製品需給に関する中長期見通しを公表した(表9)。生乳生産については、2013/14年度は前年を下回るものの、2014/15年度はVIC州やNSW州を中心に良好な気象条件や高乳価を背景に増加し、その後も改良技術や牧草管理の発達に伴う1頭当たり乳量の増加により増加傾向が続くと予測している。

 また、乳製品輸出については、2013/14年度は全粉乳を除き減少するものの、2014/15年度は乳製品国際相場の高止まりからいずれの品目も増加し、その後もアジア諸国からの堅調な需要が見込まれることから、増加傾向が続くと予測している。
表9 ABARESの需給見通し
資料:ABARES「Agricultural commodities March quarter 2014」
  注:2012/13年度は暫定値、2013/14年度以降は予測値

                                       (調査情報部 根本 悠)


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