平成26年1月のはっ酵乳生産量は7万8512キロリットル(前年同月比1.1%増)と、11カ月連続で前年同月を上回り、25年度(4月〜翌1月)の合計でも83万8612キロリットル(前年同期比2.0%増)と堅調に推移している(図7)。
図7 はっ酵乳の生産量と伸び率の推移 |
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資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」より農畜産業振興機構作成 |
はっ酵乳の機能性に注目
近年のはっ酵乳生産量は、消費低迷が続く飲用牛乳等や乳酸菌飲料とは対照的に増加傾向が継続しており、平成21年度以降は伸び率も拡大し始め、24年度は前年度比10.3パーセント増の98万7772キロリットルと、年度生産量で過去最大を記録した。この要因としては、24年1月頃にヨーグルトの機能性がマスコミに大きく取り上げられ、この内容が消費者の健康志向と合致したことが考えられる。
消費の定着化に期待
はっ酵乳の生産量の伸び率は、閏年の翌年である平成25年2月を除いて、2年半近くにわたり前年同月比プラスで推移している。一過性のブームであれば、翌年は前年同月比でマイナスとなるが、今回の傾向は消費者の食習慣として定着したことの現れと考えられる。はっ酵乳は保存が利かないため、輸入品に置き換わることは考えにくく、飲用牛乳等の消費低迷が続く酪農乳業界にとって、今後も明るい話題が期待される品目である。
脱脂粉乳の需要を牽引
はっ酵乳の主要な原材料となる脱脂粉乳の卸売価格(消費税を含む大口需要者価格)は、平成25年4月に25キログラム当たり15,767円(前年同月比3.4%高)と過去最高となり、26年1月時点も同15,727円と高い水準を保っている。しかし、こうした状況下においても、はっ酵乳の需要は脱脂粉乳の消費を牽引しており、25年度(4月〜翌1月)の合計で脱脂粉乳の推定出回り量は、前年同月比1.9パーセント増と堅調な伸びを示している(図8)。
図8 脱脂粉乳の価格と出回り量伸び率の推移 |
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資料:大口需要者価格は農林水産省「乳製品価格の動向」
出回り量は農畜産業振興機構調べ |
(畜産需給部 岡 久季)
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