需給動向 国内

◆鶏 卵◆

鶏卵小売価格は5カ月で46円の値上がり


12月のM玉卸売価格は前年同月比21.7パーセント高

 平成25年12月の平均卸売価格(東京M玉)は、キログラム当たり280円(前年同月比21.7%高)と前年を大幅に上回った(図9)。配合飼料価格高騰による生産者の廃業や採卵鶏の淘汰によって、生産量が減少している中、コンビニのおでんやクリスマスケーキ向け需要増が加わったためとみられる。

 26年1月の平均卸売価格は同232円と、前年と比較して約3割高となった。1月の値動きは、同210円から始まった後、上昇基調が継続し、終値は同240円まで上昇した。これは、年末年始により産地に滞留していた在庫が一斉に市場に出回ることにより値下がりし、市場が落ち着くと価格が上昇するという例年の値動きではあるものの、前年を大幅に上回る水準での推移となっている。
図9 鶏卵卸売価格の推移(東京、M玉)

資料:全国農業協同組合連合会「畜産販売部情報」

卸売価格高を受け、小売価格も上昇

 12月の小売価格(東京・L玉)は、1パック当たり257円(前年同月比8.4%高)と、ここ5カ月で46円の値上がりとなった(図10)。小売価格が同250円を上回ったのは、2年7カ月ぶりのことである。ここ半年の推移は、卸売価格に連動して8月頃より値上がりが始まり、12月まで一貫して前年を上回る水準が続いた。
図10 鶏卵の小売価格の推移(東京・L玉)

資料:総務省「小売物価統計調査報告」
 小売価格が上昇基調である中、12月の家計消費量は、1人当たり855グラム(同0.8%減)と、ここ半年では10月を除き前年を下回っているものの、わずかな減少にとどまった(図11)。一方、家計消費額は、1人当たり264円(同7.0%増)と、6カ月連続で前年を上回った。家計消費額が同260円を超える水準となったのは、5年ぶりのことであり、家庭での鶏卵の購入費は着実に増加していると言える。

 今年4月には消費税率の引き上げも控えていることもあり、今後は家庭での鶏卵消費額の増加が、消費へどの程度影響するか注目される。

(注)総務省「家計調査報告」におけるデータは、全国の二人以上の世帯における一人
    当たり消費量・消費額。
  
図11 鶏卵の1人当たり家計消費量及び家計消費額の推移

資料:総務省「家計調査報告」
                                    (畜産需給部 岡田 岬)



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