米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は2月10日、2013/14穀物年度(9月〜翌8月)の国内外の主要農作物需給見通しを公表した。これによると、米国のトウモロコシ生産量は前月の予測値に据え置かれた。
高まる米国産トウモロコシの輸出競争力
米国のトウモロコシ生産量は、既に収穫が終了していることから、予測値の変更はなかったが、輸入量も前月の予測値に据え置かれた。
一方、総消費量は、輸出向けが上方修正されたことから、前月から1億5000万ブッシェル(381万トン)増の133億ブッシェル(3億3782万トン)とされた。USDAは、輸出向けを上方修正した要因として、米国産トウモロコシ価格の下落に加え、輸送面で他の国と比較して競争力が高まっていることを挙げている。他の主要生産国の動向を見ると、南米では港湾での渋滞などによる輸送遅延やウクライナでは輸出制限などの動向が懸念材料とされている。このような中、米国では遅滞のない輸送が可能なことが優位性とみられている。
期末在庫量は、総消費量が上方修正されたことから、14億8100万ブッシェル(3762万トン)へ引き下げられ、期末在庫率は11.1パーセントに減少した。
生産者平均販売価格は、堅調な輸出需要が見込まれるとから、前月値からさらに下値が引き上げられ1ブッシェル当たり4.20〜4.80ドルと予測している。
表10 米国のトウモロコシ需給の見通し(2014年2月10日米国農務省公表)
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資料:USDA/WAOB「World Agricultural Supply and Demand Estimates」
注:年度は、各年9月〜翌8月
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(調査情報部 山神 尭基)
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