需給動向 海外

◆世 界◆

米国の生産量は据え置かれるも、ウクライナで増産見通し


 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が2月10日公表した「Grain :World Market and Trade」によると、世界のトウモロコシ生産量(2013/14年度)は、前年度比12.1パーセント増の9億6663万トンを見込んでいる(表8)。生産国別の状況を見ると、ウクライナの生産見通しが前月の予測値から上方修正された一方、アルゼンチンは下方修正された。

表8 主要国のトウモロコシの需給見通し(2014年2月10日米国農務省公表)
資料:USDA/FAS「Grain : World Markets and Trade」
  注:各国の穀物年度 世界、米国、ウクライナ:9月〜翌8月/中国:10月〜翌9月/
    アルゼンチン、ブラジル:3月〜翌2月
 USDAではウクライナの生産見通しを上方修正した要因として、収穫面積およびハイブリット種子の利用に伴う単収の増加を挙げている。また、アルゼンチンの生産見通しを下方修正した要因は、1月の高温・乾燥天候により、南部、中南部および西部地域で早蒔きトウモロコシの単収の減少が見込まれたことによる。

 同年度の世界の輸入量については、主に中国の増加が見込まれており、同9.3パーセント増の1億1248万トンとしている。

 一方、輸出量は、アルゼンチンが2カ月連続で下方修正されたものの、米国およびウクライナで前月からさらに上方修正された。また、消費量は、豊作による価格下落により、主要生産国以外の国で増加が見込まれている。

 期末在庫は、米国が下方修正された一方、ブラジルおよびウクライナで上方修正されたことから、同19.6パーセント増の1億5730万トンとしている。

大豆生産、ブラジルで好調

 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が2月10日公表した「Oilseed :World Market and Trade」によると、世界の大豆生産量(2013/14年度)は、前月に続きブラジルで単収増加見込み(1ヘクタール当たり3.05トン)となり生産見通しが上方修正されたことから、前年度比 7.2パーセント増の2億8769万トンと予測している(表9)。
表9 主要国の大豆の需給見通し(2014年2月10日米国農務省公表)
資料:USDA/FAS「Oilseeds : World Markets and Trade」
  注:各国の穀物年度 米国、ウクライナ:9月〜翌8月/世界、中国:10月〜翌9月/
    アルゼンチン、ブラジル:3月〜翌2月
 同年度の世界の輸入量については、主要生産国では前月の予測値に据え置かれ、同10.5パーセント増の1億533万トンとしている。

 一方、輸出量は、減産が見込まれるアルゼンチンで下方修正されたものの、米国およびブラジルで前月から上方修正されたことから、同9.5パーセント増の1億933万トンとしている。また、同消費量は、主要生産国で増加が見込まれ同4.3パーセント増の2億3875万トンとしている。

 なお、期末在庫は、アルゼンチンで前月から上方修正されたことから、同24.5パーセント増の7301万トンとしている。

                                      (調査情報部 山神 尭基)


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